そんなイメージが固定化されてしまっている一方で、一風変わった雰囲気なのが、1955年録音のこの『ペン・オブ・クインシー(Sonny Stitt Plays Arrangements from the Pen of Quincy Jones)』という盤である。スティットにはワンホーン盤が多いけれど、本盤はオーケストラ編成での録音。あくまでスティットが主役なので、“オーケストラをバックにしたワンホーン的演奏”と表現してもよいかもしれない。ともあれ、クインシー・ジョーンズ(当時はまだ20歳代前半!)のアレンジにメリハリが効いていて、伸びやかにやるところは伸びやかに演奏する一方で、随所でグルーヴ感やファンキーさが感じ取られる。