グリン(Grin,参考過去記事(1)・(2))での活動を経て、ニルス・ロフグレン(Nils Lofgren)は1975年にセルフタイトル盤をリリースしてソロ・デビューを果たす。この年、プロモーション目的で非売品として制作されたのが、本盤『バック・イット・アップ!!~公式ライヴ・ブートレグ(Back It Up!! Nils Lofgren Live: An Authorized Bootleg)』であった。やがて1970年代末と1980年代半ばにはニルスの本領発揮のライヴ作『稲妻の夜(ナイト・アフター・ナイト)』と『ニルス・ライヴ!~コード・オブ・ザ・ロード』(どちらも2枚組で内容充実の盤だった)が出ることになるが、それ以前は本盤が唯一のライヴ作品で、しかも非売品というものであった。ラジオ等で聴くことはできてもアルバムは流通していない(実際には海賊盤もあった)という、幻の盤だったわけである。