音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年06月04日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: ジャズ
パワー炸裂の1枚


 ペーター・ブロッツマン(Peter Brötzmann)は、1941年生まれのドイツ人で、フリー・ジャズのサックス、クラリネット奏者。1960年代にフルクサスと呼ばれる前衛芸術運動に関わった後、現在に至るまでフリー・ジャズに分類される様々な吹込みや演奏活動を展開している。一方のポール・ニールセン=ラヴ(Paal Nilssen-Love)は、1974年ノルウェー生まれのドラム奏者。アトミック(Atomic)というバンドでの活動経験のほか、ブロッツマンとの共演歴も多い。個人的には、いわゆる“フリー・ジャズ”はあんまり得意な分野ではないのだけれど、これら2人のお陰で(もう少し具体的に言うと、ある時にこれら2人を含むライヴを見たことがきっかけで)こういう音楽も聴くようになったということで、今回は彼らの共演アルバムの1つを取り上げてみたい。

 本盤『ウッド・カッツ(Wood Cuts)』は、2009年の盤で、その前年(2008年)にノルウェーの首都オスロで収められたライヴ音源によるものである。演奏者は上記の二人(つまりはサックス/クラリネットとドラムス/パーカッション)のみ。けれども、2人で演奏しているとは思えないほどの熱気と音の塊が飛んでくる盤である。

 上にも述べたように、実際のところ、フリー・ジャズはあまり聴かないし、それをちゃんと語る能力もないとも思う。けれども、ブロッツマンの破天荒な一方で異様なまでのひたむきさ、ニールセン=ラヴの超絶なテクニックには、文字通り“降参”である。

 都合6曲が収められているが、聴きどころはと言われると、曲単位ではなく、“メロディを吹いていない箇所”と言えばよいだろうか。もう少し正確に言うと、“いかにもメロディではない演奏をしている箇所”といってもいいだろう。やや突飛かも知れないけれど、半世紀もしくはもう少し前、マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンで興奮を感じた演奏に実は似ている部分が結構あるのかもしれないと思ってみたりもする。

 ちなみに本盤のジャケットの版画はブロッツマン自身の作とのこと。上記の芸術運動に係る以前は芸術家(アーティスト)としての活動をしていたそうで、現在に至るまで絵画なども続けているという。ブロッツマンは本盤の録音時点で既に60歳代後半(2018年現在は77歳!)ということを考えると、立ち振る舞いは静かながらも演奏に創作活動となると何とも活動的な人である。


[収録曲]

1. Wood Cuts
2. Glasgow Kiss

4. Rode Hard and Put Up Wet
5. Ye Gods and Little Fishes
6. Knucklin


[パーソネル、録音]

Peter Brötzmann (B-flat cl, bass cl, as, ts)
Paal Nilssen-Love (ds, perc)

2008年10月19日オスロでの実況録音。




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Last updated  2018年06月04日 07時28分25秒
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