音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2019年05月14日
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テーマ: 洋楽(3405)
スターシップを脱退しての第1作


 ピート・シアーズ(Pete Sears)は、1949年イギリス出身のロック・ミュージシャンで、主にベースとキーボードを演奏する。ロッド・スチュワートの 『ガソリン・アレイ』 や『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー』などのセッション・ミュージシャンを経て、1974年にジェファソン・スターシップに加入。その後、分裂騒動を経たスターシップにも引き続き所属した(さらに後、1990年代にはホット・ツナにも参加している)。

 スターシップは 『フープラ』 (1985年)で成功を収めたが、次作の 『ノー・プロテクション』 (1987年)のリリースを前にシアーズはバンドを脱退した(クレジットはされていないが、このアルバムにも参加した曲があり、シングル・ヒットとなった 「愛は止まらない」 のベースは彼の演奏なのだとか)。

 ともあれ、スターシップを抜けて長い音楽キャリアで初のリーダー作を1988年に発表した。それが本盤『ウォッチファイアー(かがり火)(Watchfire)』である。日本盤では“ピート・シアーズ&フレンズ”の作品と表記されているが、ジャケットの原語を見ると、“ピート・シアーズwithミミ・ファリーニャ、ジェリー・ガルシア、デヴィッド・グリスマン、ホリー・ニア&フレンズ”となっている。ミミ・ファリーニャはジョン・バエズの妹でフォーク・ミュージシャン(2001年に死去)。ジェリー・ガルシアは言わずと知れたグレイトフル・デッドのギタリスト(1995年死去)。次のグリスマンはマンドリン奏者で、ブルーグラス界で有名なミュージシャン。そして、ホリー・ニアは女優でシンガーソングライターである。

 結局のところ、特に1980年代に商業化が音楽業界に疑問を持ち、世界に目を向け、地球のことを考えるといった発想から仲間の参加を得てできたアルバムだったようだ。収益も自然保護団体に寄付とされていた。4.「子供たちに何かを残そう(セイヴ・サムシング・フォー・ザ・チルドレン)」、6.「一人の問題じゃない(ナッシング・パーソナル)」、8.「雨の森(レインフォレスト)」(「熱帯雨林」と訳したほうがよかったような)といった曲目を見てもわかるように、詞の内容も地球規模の環境問題や世界平和といったテーマが取り上げられている。音楽の内容も、英米での売れ筋を狙ったロックやポップ路線ではなく、ワールド・ミュージック的な要素が多く、民族音楽的な要素は1.「グワテマラ」(「グアテマラ」)や上述の8.に見られるし、もろにラテン民謡風の9.「鳩を自由に飛び発たせよう(レット・ザ・ドーヴ・フライ・フリー)」では、英詞に続いてスペイン語詞(おそらくは共作者のミミ・ファリーニャによるのだろう)、さらには“平和は来る”というセリフが15か国語(その中には日本語も含まれている)で入っている。




[収録曲]

1. Guatemala
2. The Stream
3. Sanctuary
4. Save Something For The Children
5. Lands End
6. Nothing Personal
7. One More Innocent
8. Rainforest
9. Let The Dove Fly Free
10. Blood From The Rose







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Last updated  2019年05月14日 07時24分32秒
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