音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2019年07月06日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
勢いのある初リーダー作


 コンテ・カンドリ(Conte Candoli,1927-2001年)は、いわゆる西海岸(ウェスト・コースト)ジャズを象徴するトランペット奏者で、ウディ・ハーマン楽団やスタン・ケントン楽団などでも活躍した。彼にとって初のリーダー名義の作品となったのは、1954年録音の本盤『シンシアリー・コンテ(Sincerely, Conti)』だった。ちなみに、本名はセコンド・カンドリ(Secondo Candoli)で、“コンテ”というのは愛称なわけだけれど、本盤の時点では、“コンティ(Conti)”となっていて、まだ芸名が定まっていなかった。

 初リーダー作ということが大きいのか、全編にわたって、とにかく勢いよく、“パワーハウス”(発電所)という形容そのままのトランペット演奏を繰り広げている。収録曲は主にスタンダード曲で、全曲を合わせた収録時間も25分に満たない。けれども、テンポの速い曲を勢いよく吹き鳴らし、テンポを抑えた曲では、余裕を見せながら悠々とトランペットを奏でる。このある種の“爽やかさ”こそ、本盤のいちばんの特徴であり、聴き手が楽しむべきポイントだと思う。

 そんな観点を念頭に入れつつ、筆者的に勧めたい曲を少し挙げてみたい。まずは、冒頭の1.「ファイン・アンド・ダンディ」。流れるような、かつ勢いに満ちたトランペットに圧倒されてみるのも悪くない。2.「ナイト・フライト」も同じ流れで聴けて、一聴すれば頭から離れなくなりそうなリフ、さらには一気に畳みかけるフレーズが病みつきになる。その一方、4.「オン・ジ・アラモ」や6.「ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー」に代表されるような、楽しげな余裕に満ちた、かつ流れるような演奏も印象に残る。最後に収められている有名曲の8.「四月の思い出」は、これら2つの特徴が集約された演奏といえるだろう。勢いがとにかく凄いのだけれど、よくよく聴くと、やっぱり“流れるような演奏”という特徴がちゃんと踏まえられている。初リーダー作だから気合が入り、勢いよくという気持ちはあったのだろうけれど、実のところ、余裕いっぱいに流れるような演奏もできたのだろう。だからこそ、ただ勢いで押すだけではない、ここで聴かれるような演奏内容に仕上がったのだろうと思ってみたりする。


[収録曲]
1. Fine & Dandy
2. Night Flight
3. I Can't Get Started With You
4. On The Alamo

6. They Can't Take That Away From Me
7. Everything Happens To Me
8. I'll Remember April


[パーソネル・録音]

Conte Candoli (tp), Claude Williamson (p), Max Bennett (b), Stan Levey (ds)

1954年11月20日録音。




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シンシアリー・コンテ [ コンテ・カンドリ ]




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Last updated  2019年07月06日 16時27分28秒
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