音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2020年09月11日
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テーマ: 洋楽(3405)
“オールド・タイム・レイディ”のソロ・セカンド作


 マリア・マルダー(Maria Muldaur)の盤を一枚挙げろと言われると、ほとんどの人がファースト・ソロ作の 『オールド・タイム・レイディ(原題:Maria Muldaur)』 を挙げるんじゃないかと思う。けれども、その一方で、この人の作品は、その後のものもどれも好盤揃いである。代表作一枚を聴いておしまいというにはもったいないアーティストの典型例であると思ってみたりもする。

 上記のソロ作は1973年にリリースされたが、続いてその翌年に発表されたのがセカンド・ソロ作の本盤『ドーナッツ・ショップのウェイトレス(Waitress in the Donut Shop)』であった。タイトルも、演奏されている音楽も、そして何よりも彼女の声そのものが、主にアメリカ人のおじさんたちのリスナーを虜にするものだったんだろうと思う。“おじさんたち”というのは、聞こえは悪いが、別に悪い意味で言っているわけではない。雲の上な感じではなく、ある種、身近に感じられる女性シンガーが、音楽的バックグランドに裏打ちされた楽曲をしっかりと聴かせる。当然ながら、アーティスト側に相当な実力がないとできない芸当を、マリア・マルダーはさらりとやってのけているようにも見える。

 本盤では、カントリー、ジャズ、ブルースといった伝統的音楽要素が、前作よりも前面に出ているという風に感じる。おそらくこれは制作時の意図だったのだろう。彼女のパフォーマンスを支えるミュージシャンが豪華なのは、前作と同様で、ローウェル・ジョージ、ポール・バターフィールド、エイモス・ギャレット、ドクター・ジョン、ジム・ゴードン、ジョニ・ミッチェル(クレジットはなし)、リンダ・ロンシュタット、ハリー・スウィーツ・エディソン、バド・シャンク、サヒブ・シハブなどが客演に名を連ねている。

 個人的に特に気に入っている点をいくつか挙げてみたい。2.「メキシコのグリンゴ(グリンゴ・エン・メヒコ)」や5.「スウィートハート」(アルバム表題になっているドーナツ屋のウェイトレスは、この歌の詞に登場する)を筆者は結構気に入っている。これらにも見られるオールディーズ感や一種ののどかさは、幅広いリスナー層に訴えかける最大の要素である。そのため、自分でも思わずそういうところにまず親しみを感じてしまう。さらにカントリー調の演奏は随所に織り込まれているが、6.「ハニー・ベイブ・ブルース」が特にいい。そして、何と言っても最後はマリア・マルダー自身の歌声の魅力である。個人的にベストは、8.「オー・パパ」で、それに次ぐのが1.「スクウィーズ・ミー」。もちろん各人の好みによるのだけれど、筆者的にはとにかく“魅惑の声”なのである。


[収録曲]

1. Squeeze Me
2. Gringo en Mexico

4. I'm A Woman
5. Sweetheart
6. Honey Babe Blues
7. If You Haven't Any Way
8. Oh Papa
9. It Ain't The Meat It's the Motion
10. Brickyard Blues
11. Travelin' Shoes

1974年リリース。




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【国内盤CD】マリア・マルダー / ドーナッツ・ショップのウェイトレス





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Last updated  2020年09月11日 11時19分31秒
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