音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2021年04月25日
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テーマ: 洋楽(3318)
多彩な曲とヴォーカルの名作


 ハース・マルティネス(Hirth Martinez)は、1945年、ロサンゼルス出身のシンガーソングライターで、残念ながら、2015年に死去している。1970年代に2枚のアルバムをひっそりと残したが、決して多くの聴衆の人気を集めたりしたわけではなかった。むしろ愛好家の間でこの『ハース・フロム・アース(Hirth From Earth)』が隠れた名盤として語り継がれてきた。ザ・バンドのロビー・ロバートソンに見いだされ、彼のプロデュースで1975年にリリースされたのが、この盤ということになる。

 表題の『ハース・フロム・アース』は最初の語(アーティストの名前)と最後の語(“地球”)が韻を踏んでいるが、日本語に訳すと“地球からやってきたハース”といったようないみになる。しかもジャケット写真は、何やら海から姿を現した杖を手にした謎の人物(というかハース本人)なわけで、“地球外生命体ではなくて、海から出てきた謎の人物(生物)?”などという想像をさせかねないものである。

 ところが、実際に曲を聴いてみると、そんな不気味な想像とは正反対に、優しい素朴なヴォーカルの1.「オルトゥゲザー・アローン」からアルバムが始まる。とはいえ、彼のヴォーカルが柔らかく聴きやすいだけというのは間違いである。シンプルで朴訥に見える部分がある一方で、時としてR&B的であったり、南部っぽかったりと、泥臭さを含んでいる。そういう観点から気に入っている曲をいくつか挙げておくと、2.「ウィンター・アゲイン」、3.「ジンジ」、7.「ザッツ・ザ・ウェイ」、9.「ピティ・オン・ザ・フール」、12.「コールド・ダーク・モーニン」といった具合だろうか。

 “七変化”とまでは言わないが、多様な顔をさりげなく覗かせるヴォーカルがいい。その理由は、収録曲の多様さということなのだろうけれど、いずれも自作曲であり、なおかつそれをすんなり表現できてしまっているところに、本盤の素晴らしさがある。決してメジャーなアルバムではないけれど、聴き継がれたい名作の一つだと思う。


[収録曲]

1. Altogether Alone
2. Winter Again
3. Djinji

5. Comin Round the Moon
6. It
7. That's the Way It's Gotta Go
8. Silent Movies
9. Pity on The Fool
10. I Don't Know Why the Hell
11. Saturday Night
12. Cold Dark Mornin’
13. You Are a Star

1975年リリース。




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【国内盤CD】ハース・マルティネス / ハース・フロム・アース




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Last updated  2021年04月25日 17時42分32秒
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