音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2021年07月23日
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没後に発表されたアコースティック演奏曲集(前編)


 1948年、アイルランド出身のブルース・ロック・ギタリストでシンガーのロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)は、1995年に47歳という早すぎる死を遂げた。その死から8年ほど後、ちょうど彼が生きていれば55歳になったであろう頃にリリースされたコンピレーション盤が、この『ホイールズ・ウィズイン・ホイールズ(Wheels Within Wheels)』である。没後の未発表音源集のような盤は多くあるけれど、このアルバムは一風変わっていて、初めてロリー・ギャラガーを聴く人に勧めるような盤ではない。というのも、“アコースティック演奏”がキーワードとなった曲集なのである。

 様々な音源から集められた楽曲や演奏なので、正直なところ、全体の統一感などといったところには期待しない方がいい。全体として言えることはというと、エレキ・ギターじゃなくても、ロリー・ギャラガーは最高なギタリストだったということぐらいだろうか。けれども、それは裏を返せば、聴き手は個々の演奏をどこからでも好きに聴いて一つ一つ楽しめるということでもある。そんなわけで、簡潔ではあるけれども、収録された各曲について見ていくことにしてみたい。

 表題曲の1.「ホイールズ・ウィズイン・ホイールズ」は、1977年にアルバム制作のために録音したものの、お蔵入りになった音源という。確かに彼らしい雰囲気のナンバーではないけれど、これはこれで美しく、完成度が高い。2.「フライト・トゥ・パラダイス」は、思いっきりフラメンコ調の美ナンバー。アコースティック・ツアー中に合間をぬって録音された音源だという。3.「烏が飛ぶように」は、1974年の 『ライヴ・イン・アイルランド』 で演じられていたナンバーだが、そのスタジオ・テイクがここに収められている。ライヴの6分には及ばない4分強の長さだが、迫真の演奏の様子がスタジオのものからも存分に伝わってくる。

 4.「ロンサム・ハイウェイ」は、このタイトルだけでなく「イッツ・オンリー・レイニング」のタイトルでも構想されていた曲だったそうで、1975年に録音されたものである。アコースティック・ギターの演奏ながら、ロリー・ギャラガー節の王道と言えるナンバー。5.「黒い旗」は、一転してクラシックのような雰囲気の演奏。これは、彼が敬愛していたフォーク・シンガーのマーティン・カーシー(Martin Carthy)との共演による録音で、トラディショナル曲を取り上げたものである。6.「シー・ムーヴド・スルー・ザ・フェア/林檎の木」も同じくトラディショナル曲で、こちらはバート・ヤンシュとの共演。

 長くなってきたので、7.以降は、次回更新の 後編 へ。(収録曲の一覧も後編の中に掲載しています)。




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Last updated  2021年07月25日 05時01分35秒
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