音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年04月17日
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テーマ: 洋楽(3318)
1980年代に向けてバンドの行先の模索


 フォガット(Foghat, フォグハット=“霧の帽子”の意)は、1970年代初頭にサヴォイ・ブラウンから分派したバンドで、ブルース・ロックからハード・ブギーへと進む道を切り開いていった。1980年代に入るあたりからは、メンバーの交代や音楽性の模索で停滞期を迎え、挙句の果てには、分裂して双方がフォガットを名乗る事態まで起こった(後に改めて再結成にこぎつけている)。

 1980年にリリースされた『タイト・シューズ(Tight Shoes)』は、そんなバンド停滞期の入口での模索を示す盤と言えるように思う。全体としては、その当時、隆盛にあったニューウェーヴへの歩み寄りが顕著である。ジャケットもそのような志向を如実に反映していて、靴(赤いバッシュ)、蛍光色、バンド名は従来のロゴではない表示は、これまでの彼らのジャケットにはなかった趣である。そのようなわけで、コアなファンからは否定的評価も受けてしまうことがある。とはいえ、個人的には、フォガットというバンドの歴史の中でどうかは横においておけば、この当時の音楽シーンの中での単独作品として見れば、なるほどな仕上がりの作品だったと評価できるように思う。

 全体的に、ブルース・ロックを控え、ロッド・プライスのギターも抑えめで、デイヴ・ぺヴァレット(ロンサム・デイヴ)中心のポップ・ロック調というのが本盤の中核となっている。曲作りも、ギターソロも意図的にこうした目標を定めた作品を目指しているように見受けられる。曲作りはもともとデイヴが主に担っていたものの、本作では8曲すべてがデイヴのペンによる。ギターに関しては、この音楽的志向はロッド・プライスにとって不満の種となったのだろう(実際、本作をもって彼はバンドを脱退した)。

 さて、ポップな収録曲のいくつかに目を向けておきたい。冒頭の1.「ストレンジャー・イン・マイ・ホーム・タウン」は、シングル・カットされたナンバーで、上で述べたような本盤の特徴を如実に示す曲である。バンドが得意とするブギー・ロックを基調としてポップ風なアレンジを加えたと言えそうなナンバーも散見される。3.「フル・タイム・ラヴァ―」はそのよくできた例である。5.「トゥー・レイト・ザ・ヒーロー」もそうした例の一つ。少々奇を衒い過ぎのエフェクトなんかも見られるけれど、なかなかキャッチーに仕上がっている。8.「ノー・ハード・フィーリングス」は、フォガットの作風からするとかなり新傾向と言えそうな曲調のナンバー。デイヴの曲作りのよさが際立っている。


[収録曲]

1. Stranger in My Home Town
2. Loose Ends
3. Full Time Lover

5. Too Late the Hero
6. Dead End Street
7. Be My Woman
8. No Hard Feelings

1980年リリース。




 ↓本盤を含む廉価版オリジナル・アルバム集↓
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輸入盤 FOGHAT / ORIGINAL ALBUM SERIES [5CD]

 ↓LP盤です↓
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【輸入盤LPレコード】Foghat / Tight Shoes(フォガット)





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Last updated  2022年04月17日 08時49分58秒
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