音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年06月14日
XML
テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
クラリネットの名手による実力発揮の一枚


 クラリネットという楽器は、ビッグ・バンドにおいては花形だったが、モダン・ジャズの発展の歴史の中でマイナー楽器へと追いやられてしまった。そんな時代の変化の中、ジャズ音楽の変化にもかかわらず見事にクラリネットを操った名手がバディ・デフランコ(Buddy DeFranco)であった。

 バディ・デフランコは、1923年ニュージャージー州生まれで、2014年末に91歳で亡くなっている。当初、彼はビッグ・バンドでの演奏で活動し、1945年にはダウンビート誌の人気投票でクラリネット部門の1位にも選ばれている。やがて、1950年代に入る頃からは自身のバンドで活動するようになり、1953年には拠点も西海岸へと移すことになる。当初はアート・ブレイキーをドラム、ケニー・ドリューをピアノにしていたが、やがてケニー・ドリューの後を引き継いだソニー・クラークをピアニストとしていくつも吹込みを残した。そうした時期の1955年、クインテットで録音されたのが、この『クッキング・ザ・ブルース(Cooking The Blues)』である。

 表題の通り、ブルース曲を取り上げた、もしくは、(モダン・ジャズ的な意味での)ブルージーな演奏を披露している盤と言えるが、メンバーを見るととりわけ2月になる点がある。一つは、ピアノがソニー・クラークという点。別に、その前のケニー・ドリューが悪かったとかいうわけでも何でもないけれども、このモダン・ジャズ然とした演奏において、ソニー・クラークが果たしている役割は大きいと思う。それから、もう一つは、ギターを含めたクインテットになっている点。タル・ファーロウのギターは随所で前面に出てきていて、この盤のカラーを大きく色づけている。 

 お勧めのナンバーをいくつか挙げておきたい。表題曲の2.「クッキング・ザ・ブルース」は、上で述べたソニー・クラークのピアノも、タル・ファーロウのギターもきわめて快調である。メイン・ディッシュと言えるデフランコのクラリネット演奏で最も際立っていると思うのは、3.「スターダスト」。モダン・ジャズの語法の中で、クラリネットもまた、トランペットやサックスと同じように機能することを身をもって示した演奏だと思う。

 あともう一つ挙げるとすると、4.「ハウ・アバウト・ユー」。ソニー・クラークのピアノも、タル・ファーロウのギターも、そしてバディ・デフランコのクラリネットも、見事にモダン・ジャズとして調和している。たまたま筆者がそうだったからかもしれないが、クラリネット・ジャズの入口としても、本盤は好適盤と言えるように思ったりする次第である。


[収録曲]

1. I Can’t Get Started
2. Cooking The Blues

4. How About You
5. Little Girl Blue
6. Indian Summer


[パーソネル・録音]

Buddy DeFranco (cl), Sonny Clark (p, org), Tal Farlow (g), Gene Wright (b), Bobby White (ds)
1955年8月26日録音。




 ​
[枚数限定][限定盤]クッキング・ザ・ブルース/バディ・デフランコ・クインテット[CD]【返品種別A】

 ​
クッキング・ザ・ブルース [ バディ・デフランコ ]




   ブログランキングに参加しています。

       ↓      ↓      ↓

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ ブログランキング・にほんブログ村へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022年06月14日 04時45分40秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: