音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2023年03月07日
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グラミー受賞につながったソロ作


 記憶に間違いがなければ、筆者がカルロス・サンタナ(Carlos Santana)のソロ作で最初に聴いたのが、本盤『サルバドールにブルースを(Blues for Salvador)』だった。詳しい方にはいまさらな話だけれど、念のため、アーティスト名について触れておきたい。少々紛らわしくて、よく誤解されがちだが、カルロス・サンタナは個人名。一方、サンタナ(Santana)は、彼が率いるバンド名である。バンドの方は1960年代末から様々なアルバムを発表しているが、カルロス・サンタナ個人名義でのアルバム作品が発表されたのは、1979年の『ワンネス』以降のことである。同作から数えて、『サルバドールにブルースを』は、4作目のソロ名義盤ということになる。

 前作の『ハバナ・ムーン』もそうなのだけれど、一時の宗教色は薄く、音楽的なルーツやバックグラウンドを意識し、バンドの方では盛り込みにくい要素を自由に取り込んでアルバム作品にしているという印象が強い。結果、この頃のソロ作は、カルロス・サンタナの人となりを掴むには好適といった感想を筆者としては抱いている。本作はグラミー賞(ベスト・ロック・インストルメンタル・パフォーマンス部門)に輝き、彼にとってのグラミー初受賞となった。

 様々な参加メンバーの中では、バディ・マイルスやトニー・ウィリアムスの名が目を引く。実際、本盤の内容は、ロック、ラテン・ロックといった範疇に収まることなく、ジャズやブルースなどカルロスが育った音楽的背景を踏まえて、彼のギターを中心にしっかり聴かせるという作りになっている。

 1.「舞踏 アクアティック・パーク(バイランド/アクアティック・パーク)」はラテン調のアルバム冒頭に相応しい、インパクトのある曲で、カルロスのソロが光る。ギターのプレイ内容は、アルバム全体を見渡すと結構多様であるが、筆者が気に入っているものとして、4.「トレーン」、5.「ディーパー・ディグ・ディーパー」、7.「ナウ・ザット・ユー・ノウ」あたりを挙げておきたい。アルバムを締めくくる表題曲の9.「サルバドールにブルースを」は、息子(その名がサルバドール)に捧げたナンバーである。この曲で繰り広げられるのは、これぞカルロス・サンタナというギター演奏。この曲をはじめ、とにかく彼のギターを全編にわたって堪能できるなかなかエキサイティングな一枚だと思う。


[収録曲]

1. Bailando/Aquatic Park
2. Bella
3. I'm Gone

5. Deeper, Dig Deeper
6. Mingus
7. Now That You Know
8. Hannibal
9. Blues for Salvador

1987年リリース。



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Last updated  2023年03月07日 11時40分52秒
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