音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2024年03月16日
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新時代への移行を代表するお勧め盤


 ハードロックとヘヴィメタルというのは、その境界線が時に不明瞭で、国やら時代やら、あげくの果てには評論家によって定義が大きく異なったりする。1979年にイギリスの音楽誌で“NWOBHM”(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル、New Wave Of British Heavy Metal)なる言葉が現れ、この辺りから“ヘヴィメタル”という表現が一般化していったようである。こうした時期を代表する盤の一つとして筆頭に挙げられるのが、ジューダス・プリースト(Judas Priest)の『ブリティッシュ・スティール(British Steel)』だと言えるだろう。

 全体としては、ハードロック(HR)からヘヴィメタル(HM)への移行過程と言えそうな内容の楽曲構成である。英盤と米盤で曲順が異なるが、以下、米盤(下の収録曲の情報もこれに準ずる)の順に沿ってみていきたい。

 冒頭の1.「ブレイキング・ザ・ロウ」は、シングル曲としてイギリスで12位を記録したナンバーで、疾走感のある曲調にHM然としたヴォーカル(“メタル・ゴッド”として知られるロブ・ハルフォード)がいい。2.「ラピッド・ファイア」もヴォーカルの存在感のある曲で、英盤ではアルバムのオープニング・ナンバーとなっていた。3.「メタル・ゴッズ」は、曲の雰囲気としてはHMというよりもHRという形容の方がしっくりくるかもしれないが、筆者的にはお気に入りのナンバーだったりする。

 5.「ユナイテッド」もシングルカットされたナンバー(全英の最高位は26位)。ヘヴィな演奏に存在感のあるヴォーカルと印象的なサビが特徴的で、一度聴いたら、頭から離れなくなるタイプの1曲だと思う。6.「リヴィング・アフター・ミッドナイト」は、アルバムに先行して発売されたシングル曲で、全英12位となった。メリハリが効いてパンチのあるこの曲の演奏はインパクト十分と言える。

 この時代よりも少し後の世になって“いかにもHM”あるいは音楽面でヘヴィメタルを定義する時に使われることになるような要素が本盤には随所に見られる。そんな観点に立つと、上述の1.に加えて、アルバム終盤の2曲(8.と9.)は興味深い。特にアルバムの締めくくりとなる9. 「スティーラー」は、よりハードになっていき、メタル化していくサウンドの序章といった趣がある。


[収録曲]

1. Breaking the Law

3. Metal Gods
4. Grinder
5. United
6. Living After Midnight
7. You Don't Have to Be Old to Be Wise
8. The Rage
9. Steeler

1980年リリース。




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ブリティッシュ・スティール [ ジューダス・プリースト ]




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Last updated  2024年03月16日 13時58分03秒
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