音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2024年10月09日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ
ベニー・ゴルソン追悼(その2)


 トランペット奏者のアート・ファーマー(Art Farmer, 1999年死去)は1928年生まれで、テナーサックス奏者のベニー・ゴルソン(Benny Golson,2024年9月死去)は1929年生まれ。生まれ年は1年違うものの、5か月の差しかないほぼ“同い年”の2人が中心となって結成されたグループが、ジャズテット(Jazztet)だった。ピアノ、ベース、ドラムスのリズムセクションに、これら2人のトランペットとテナー、さらにはトロンボーンという6人組(セクステット)だった。

 ファーマーとゴルソンの共演はこれが最初ではなかったが、1960年に本盤『ミート・ザ・ジャズテット(Meet The Jazztet)』をレコーディングして以降、数年にわたってジャズテットの活動を展開し、さらには1980年代にもこのグループを復活させていくつもの吹き込みを残した。

 ジャズテットのメンバーは時とともに入れ替わっていったが、本盤ではトロンボーンがカーティス・フラー、リズム隊はマッコイ・タイナー(ピアノ)、アートの双子のきょうだいのアディソン・ファーマー(ベース)、レックス・ハンフリーズ(ドラムス)という面々である。この豪華フロント3人の演奏は、個々が競い合う、個人技のどこがいいという風に聴くというよりも、とにかくバンドとしての見事なまとまり、アンサンブルを楽しむというのが、本盤の最良の聴き方であるように筆者には思われる。

 個人的な好みで、特に聴き逃がせないと思う曲を挙げていきたい。まず、1.「セレナータ」はグループとしてのまとまりを保った勢いのある演奏が身上で、聴いていてワクワクする。4.「アイ・リメンバー・クリフォード(クリフォードの想い出)」は、ゴルソン作の哀愁漂う有名曲で、リー・モーガンの演奏( 参考過去記事 )でも知られる。

 1.と並んでワクワク感が強いのは、5.「ブルース・マーチ」。さらに、冒頭の勢いのよさが印象的なうえ、聴き手を飽きさせない曲の展開が見事なアート作の8.「モックス・ニックス」も外せない。また、トランペットが美しく響く10.「キラー・ジョー」は、ゴルソンのまったりとしたテナー、フラーの安定したトロンボーン、さらにはタイナーのピアノと聴きどころが凝縮された(贅沢を言えばもうあと2倍ぐらいの時間プレイし続けてほしかった)演奏である。

 先月(2024年9月)21日のベニー・ゴルソン逝去の訃報を受けて、前回( 過去記事 )と今回の2作を取り上げた。今後も機会を見てさらに彼の他の作品を取り上げたいと思う。R.I.P.




1. Serenata
2. It Ain't Necessarily So
3. Avalon
4. I Remember Clifford
5. Blues March
6. It's All Right With Me
7. Park Avenue Petite
8. Mox Nix
9. Easy Living
10. Killer Joe


[パーソネル、録音]


1960年2月6・9・10日録音。



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ミート・ザ・ジャズテット [ アート・ファーマー&ベニー・ゴルソン ]




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Last updated  2024年10月09日 06時42分14秒
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