音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2026.08.01
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テーマ: 洋楽(3665)
人気絶頂期の最大セールス作


 1980年代、フィル・コリンズ(Phil Collins)は多忙なミュージシャンだった。バンド(ジェネシス)での活動、ソロ・アーティストとしての成功、さらにはプロデュースの仕事や他アーティストとの共演など活躍の場はとにかく広かった。ソロ・アーティストとしては、第3作の 『フィル・コリンズIII(ノー・ジャケット・リクワイアード)』 (1985年)が大きなヒットを記録していたが、これを上回るセールスと人気を集めたのが、第4作となる『バット・シリアスリー(…But Seriously)』(1989年)だった。

 フィル・コリンズのヴォーカリストとしての魅力が際立つ曲が多く並んでいるだけでなく、その内容や共演者などにも注目すべき点が多い。本盤からはいくつもの曲がシングルとしても発売された(リリース順に7., 6., 4., 3., 2., 1.)が、大きなヒットとなったのは、何といっても7. 「アナザー・デイ・イン・パラダイス」 。全米で1位、イギリス2位のほか各国チャートで軒並み1位ないしは2位という大ヒット曲となり、1980年代後半を代表する名バラードとして知られるようになった。これに次ぐヒットとなったのは、全米3位となった6. 「雨にお願い(アイ・ウィッシュ・イット・ウッド・レイン・ダウン)」 で、この曲の演奏にはエリック・クラプトンも参加している。これら2曲は、楽曲そのもののよさはもちろんのこと、フィル・コリンズのヴォーカリストとしての力量が存分に発揮され、彼のキャリアの中でも上位の名曲と言えるように思う。

 本盤は、個々の楽曲のメッセージ性にも注目したいものが多く含まれている。上記のヒット曲7.「アナザー・デイ・イン・パラダイス」は、ホームレスを取り上げて貧困問題に目を向けた内容で、美曲である一方で詞の内容は重い。2.「悲しみのザッツ・ザ・ウェイ」は、北アイルランド紛争をテーマにし、5.「カラーズ」は、南アフリカの人種差別(当時、アパルトヘイトがまだ続いていた)を取り上げている。これら2曲も決して激しい曲ではなく、美しい曲と言えるのだけれど、いずれも内容は社会的で重いメッセージである。

 他にも注目の曲は多いが、好みであといくつかだけ挙げておきたい。シングルにもなった3.「ドゥー・ユー・リメンバー」もなかなかの美曲。4.「ウェイ・トゥ・ヘヴン」は、前作の作風を引き継ぐという意味で非常に彼らしいナンバー。さらに、曲の美しさや完成度という点では、9.「オール・オブ・マイ・ライフ」や11.「ファーザー・トゥ・サン」、12.「ウェイ・トゥ・マイ・ハート」(こちらは映画『アパッチ』のテーマ曲)も外せない。フィル・コリンズのキャリアのピークを示すとともに、楽曲・歌唱面でも絶頂期を示す1枚と言えるように思う。


[収録曲]


2. That's Just the Way It Is
3. Do You Remember?
4. Something Happened on the Way to Heaven
5. Colours
6. I Wish It Would Rain Down
7. Another Day in Paradise
8. Heat on the Street
9. All of My Life
10. Saturday Night and Sunday Morning
11. Father to Son
12. Find a Way to My Heart






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Last updated  2026.08.01 21:05:55
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