秋に咲くヒマワリ・・なのかもね。

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2023.09.28
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テーマ: 認知症(612)
カテゴリ: 健康 Health
エーザイの作った認知症治療薬(アルツハイマー病)のニュースを先日読みましたが、イマイチよくわかりませんでした。

日本テレビの解説ニュースを見て、どれぐらいの割合の人に、どのような効果が期待されるのかがわかってきました。またBBCニュースで、イーライ・リリーの開発した同様な薬で実際に臨床試験に参加した患者さんの生の声を聞いて状況が分かってきました。

効果が表れるのは1/4くらいの患者さんで、原因物質アミロイドベータを取り除くことで、病気の進行を数年遅らせることができるが、脳浮腫、脳内の微小出血等の副作用がそれぞれ1割以上の患者に発生し、中には死亡事例もある。一方アルツハイマー初期の患者に効果的。薬のおかげでみんなの前で歌を歌うことができるようになりよろこぶ80歳の患者もいるそうです。

実際に認知症の家族をかかえる身としては、脳血管疾患が発生して最悪半身不随や寝たきりになる可能性もありそうな副作用のわりに、完治が期待できないなど効果がそれほど大きくない点、また健康保険で多くをカバーできるとはいえ、費用も年390万円と高額で、薬にそれだけ支払うなら、そのお金で介護施設に入所させてほしいと現時点では思う点から、自分の家族にこの薬をすぐに使うのは躊躇します。とりあえず様子見としたいと思います。

ほかに画期的な開発中の認知症の治療薬は無いか調べたら現時点ではなさそうです。認知症患者は近い将来5人に1人となる中で、このような高額な薬がもしすべての患者に投与されれば、財政負担が厳しいものになるでしょう。今後もアルツハイマーに限らず同様な薬は出るでしょうから、財源や患者負担をどうするか考える必要があると思います。

この種のアルツハイマー薬の国内の市場規模は1500億円と想定されているようです。効果がうまく実感できづらく、副作用によって生じる問題も心配で、抗肥満症薬に比べて爆発的にヒットする可能性は高くないような気がします。この薬についてはエーザイ、リリーへの投資判断は見送りたいと思います。



■参考リンク
「社会保険料の急騰で現役世代は死ぬ」認知症新薬390万円の自己負担14万円で差額は誰が負担するのか 「進行を27%遅らせるだけで要介護期間が延びるだけ」との指摘もPRESIDENT Online筒井 冨美フリーランス麻酔科医、医学博士
アルツハイマー病の進行を遅らせるとされる新薬「レカネマブ」。年内にも公的医療保険が適用され、患者への投与が可能になる見通しとなった。価格は年390万円(2万6500ドル)だが、高額療養費制度があるため、患者の自己負担は年約14万円が上限(70歳以上の一般所得層)。認知症患者約600万人のすべてに投与されるわけではないが、公費の大幅増は必至だ。医師の筒井冨美さんは「日本の社会保障制度を破綻させかねないリスクがある」という――。
認知症新薬は画期的なのか?

これは、認知症全体の6~7割を占める「アルツハイマー病」に対する治療薬であり、年内にも公的医療保険が適用されて、患者への投与が可能になる見通しとなった。
アルツハイマー病は、原因物質のひとつとされる「アミロイドβ(ベータ)」が脳内に蓄積することで神経細胞が傷つき、認知機能が低下すると考えられている。従来の薬は、神経細胞の働きを高め、一時的に症状を緩和させることはできるものの、神経細胞が壊れていくことを止めることはできなかった。
「レカネマブ」は、原因となる「アミロイドβ」を取り除き病気の進行を抑える画期的な新薬とされ、「病状の進行を27%抑制」と発表されている。認知症患者は国内約600万人と推計されており、社会的なインパクトも大きい。
25日の同社株価は発表を受けて一時3.5%の8774円まで上げ幅を拡大した。
以下略。

2023年9月27日Wedge Online認知症の新薬「レカネマブ」は本当に効くの?医療報道をどう読むべきか小島正美 (食・科学ジャーナリスト、元毎日新聞編集委員)
 アルツハイマー病の症状の進行を遅らせる新薬「レカネマブ」が厚生労働省によって承認された。その効果や課題をめぐる新聞・テレビ報道を見ていると、やや過剰な期待感を抱かせる内容が垣間見られる。一紙だけの記事で判断を下すのではなく、さまざまな情報に目を通し、冷静に判断したい。
以下略。

アルツハイマー病における 新薬の開発状況

米イーライ・リリーの認知症薬、日本で承認申請ヘルスケア 日本経済新聞2023年9月26日 16:52
米医薬品大手イーライ・リリーの日本法人は26日、同社が開発したアルツハイマー病薬「ドナネマブ」について、厚生労働省に承認申請したと発表した。承認されればエーザイと米バイオジェンの認知症薬「レカネマブ」に続く、認知症治療の選択肢となる。厚労省の可否の判断は2024年になると見込む。
以下略。

アルツハイマー病新薬「ドナネマブ」、世界的な臨床試験で効果確認2023年7月18日 BBCニュース
新たなアルツハイマー型認知症治療薬「ドナネマブ」の世界的な臨床試験の結果が公表され、病気の進行を遅らせることが確認された。アルツハイマー病との闘いの転換点になると期待されている。
臨床試験の結果は、米医師会誌「JAMA」に掲載された。アルツハイマー病を完治させるものではないものの、患者支援団体は、今回の研究結果がアルツハイマー病を治療できるようになる新時代を示していると述べた。

「ドナネマブ」は抗体を使っており、アルツハイマー病患者の脳に蓄積される「アミロイドβ(ベータ)」と呼ばれるたんぱく質を除去することで、この病気の初期症状に働きかける。脳血管性認知症など、他の認知症には効果がない。
ドナネマブの臨床試験には、アルツハイマー病初期段階にある60~85歳の1736人が参加。1年6カ月間にわたり、半数には月に1度ドナネマブが、もう半数にはプラセボ(偽薬)が投与された。
臨床試験では、以下のことが判明した。
ドナネマブには、少なくとも一部の患者に有用な効果があった
脳スキャンでアミロイドβがなくなる様子を見たところ、治験開始時にアルツハイマー病の初期段階でアミロイドβが少なめの患者の方が、より大きな効果が出た

患者が日常生活で何ができるかという観点からは、病気の進行は全体で20~30%遅くなった。ドナネマブに最も反応するだろうと研究チームが予想していた患者グループでは、症状侵攻を遅らせる効果は30~40%だった。
ドナネマブには大きな副作用があり、患者は治療のリスクを把握する必要がある
ドナネマブを投与した患者の半数は、脳内に蓄積したアミロイドβが十分に除去されたため、1年後に治療を停めることができた
専門家らは、アミロイドβはアルツハイマー病の複雑な全容の一部でしかなく、長期間の治療がどれだけの違いをもたらすのかは不明だと警告している。
アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の臨床試験に参加した患者の脳スキャンの比較
Presentational white space
ドナネマブの効果は緩やかなものかもしれない。しかし今回の結果で、アミロイドβを脳内から除去することがアルツハイマー病の進行を変えるかもしれないことが、あらためて確認された。また、適切なタイミングで治療を行えば、この大変な病気にかかっている人々を助けられると専門家は言う。
英認知症研究所のジャイルズ・ハーディンガム教授は、「臨床試験の結果の全容が発表され、とてもうれしい」と話した。
「私たちはもう長いこと、アルツハイマー病治療薬を待ち続けていた。それだけに、この分野で具体的な進展が加速しているのは有望だ」
慈善団体「アルツハイマー・リサーチUK」のスーザン・コルハース医師は、「今回の発表は新たな一里塚だ」と述べた。
「何十年にもわたる研究の結果、認知症に対する見通しや、認知症が人々や社会に与える影響はようやく変わりつつある。我々は、アルツハイマー病が治療可能になるかもしれない新時代を迎えようとしている」
米製薬会社イーライリリーが開発したドナネマブは、日本のエーザイと米バイオジェンが開発した「レカネマブ」と同じ仕組みで働く。レカネマブは、世界で初めてアルツハイマー病の進行を遅らせる治療薬として注目を集めた。
どちらの薬も非常に期待されているが、治療にリスクがないわけではない。
ドナネマブの臨床試験では、参加者の3分の1に脳浮腫がみられた。多くの場合は何らかの症状に至ることなく解消されたが、これまでに少なくとも2人、あるいは3人が、危険な脳浮腫が原因で亡くなっている。
一方、欧州連合(EU)の医薬品規制当局は先に、別のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、安全上の懸念と、効果の証拠が不足しているとの理由から、認可を拒否した。
「毎日どんどん自信が出てくる」
Mike Colley and his son Mark
画像説明,
マイク・コリーさん(左)と息子のマイクさん
英ケント州在住のマイク・コリーさん(80)は、イギリスからこの臨床試験に参加したたった数十人の一人だ。今回、家族と共にBBCの独占取材を受けた。
コリーさんはロンドンのクリニックで1カ月に1回、ドナネマブの投与を受けた。自分は「あなたが出会う最も幸運な人間の一人だ」と、コリーさんは話した。
コリーさんと家族は、臨床試験の少し前から、コリーさんの記憶や意思決定に問題が出ていることに気付いていたという。
息子のマイクさんは、発症当初の頃はとてもつらかったと話した。「父が情報処理や問題解決に苦しんでいる姿を見るのはとてもつらかった。でも今は、(認知の)後退は停滞期に入ったと思う」。
コリーさんは、「毎日どんどん自信がついている」と話した。
80歳の誕生日には、40人の客を前で「マイ・ウェイ」を歌って家族を驚かせたという。
「今はそれくらい自信がついている。わずか12カ月前だったら、そんなことはできなかったはずだ」と、コリーさんは述べた。
マイクさんも、「父が人生を謳歌(おうか)しているところをまた見られるとは思っていなかった。素晴らしい瞬間だった」と語った。
アメリカではすでにレカネマブが認可されているが、1人あたり年間2万7500ドル(約380万円)以上の費用がかかる。ドナネマブの費用はまだ不明で、イギリスでの認可にかかる時間も分からないが、専門家らは、レカネマブとドナネマブが互いに価格競争を促進するものと予想している。
イギリスで医薬品や医療機器などの費用対効果を評価する国立保健医療研究所(NICE)は、軽度の認知障害とアルツハイマー型認知症について、すでにドナネマブの評価を開始しているとしている。
NICEの広報担当者は、「イギリスでの使用が承認された際にはできるだけ速やかに、NHSでの使用を勧告したい」と述べた。
(英語記事 New drugs for Alzheimer’s hailed as turning point)

認知症新薬1500億円超 レカネマブ年間市場規模2023年9月26日 21時12分 (共同通信):東京新聞
 厚生労働省が製造販売を承認した認知症のアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」に関し、年間の市場規模は1500億円を超えると見込んでいることが26日、関係者への取材で分かった。27日に中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で医薬品の公定価格である薬価の議論を始め、12月下旬までに保険適用を決める。
以下略。


Yahoo!ファイナンス:エーザイ(株)の株価・株式情報



Yahoo!ファイナンス:イーライ・リリーの株価・株式情報





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Last updated  2023.09.30 05:34:54


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