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January 9, 2007
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 ウインナーは、アスファルトで舗装された道路や、ブロック塀のかげや、植え込みの中や、駐車場のすみやなんかにひょっこり現れて、うねうねと這っている。どこかへ行きたいのだろうか、外敵がいるかどうかなど気にする様子もなく、道の真ん中にも平気で出てくる。
 ウインナーは、ウインナーらしくじゅうじゅう炒められたようなやつが多い。溶けた油で光っていて、湯気の出ている、ほどよい焦げ目の付いたやつだ。そういうウインナーが近くにいると、香ばしいにおいがただよってくる。だけど中には、生っぽい脂肪の白いかたまりをくっつけている体の硬そうなやつや、黒焦げになってふうふう煙を吐いているやつもいる。焦げているやつがそばにいると、やっぱり焦げ臭いにおいがする。
 僕はそいつらに興味を持って、幾度か指でつまんで眺めたり、においをかいだりしてみた。ごく稀に物好きな人の中には、そのウインナーをぱくっと食べたという人もいるらしいけれど、しかし、どうも僕は、スーパーで買ってきて冷蔵庫にのけているようなやつとは何かが違う感じがするので、とうとう食したことはない。
 海に行ってもウインナーはいると、僕の友人が言っていた。砂浜では、町にいるようなのが這っていて、よくカニにさらわれていくらしい。そして海中のものは、タコ型をして浮遊しているらしい。だけどその水棲ウインナーたちは、水に潜っているにもかかわらず、湯気を立てて香ばしいにおいを撒き散らしているらしい。だから、ウインナーとはよっぽど強いやつらなんだなと、僕は思った。
 だが、大発生と言っても、それはとても静かな大発生であるらしかった。テレビや新聞で特にニュースになるようなこともないので、忙しく生きる人たちのほとんどが気が付かないままでいた。従って、政府がウインナー対策特別措置法なんて法律を作ることだってない。誰も騒がない。だからある意味、小発生なのかもしれない。
 今日も、出かける途中の道端で、僕はウインナーと出会った。ブロック塀の上と、柿の木の枝の上と、停められた車のボンネットと、それからそれから・・・・・・数え切れないほどのウインナーと、いろいろなところで出会った。ネコがくわえているのも見た。だが、僕はすべてのウインナーを通りすぎて、バス停でバスに乗った。
 この町のウインナーは増えている。僕の日常はいつも通りに進む。町の流れもいつもどおり。ただそれだけ、なのだった。今のところ。







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Last updated  January 9, 2007 02:23:39 PM コメント(4) | コメントを書く
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