マーシャルの作品には選曲の良いものが多いが、この作品でもジャズファンを喜ばせるようなセンスの良さがある。まずは、1曲目の"The Most Beautiful Girl in The World"を名刺代わりに渋く聴かせる。マーシャルの一番おいしいところをぶつけてきたのだろう。バックを務めるRob Agerbeel Trioとの相性もバッチリだ。続いて"I'm Old Fashioned"を軽快なテンポで小気味よくまとめる。まるで、晩年のアート・ファーマーのようだ。渋めの2曲の後は、ドーハムも演奏した"Mamacita"だ。ドーハム程の爆発感はないが、ドーハム・トリビュートのハートは伝わってくる。次がエルヴィス・コステロの渋~い"Almost Blue"だ。マーシャルの本領発揮といったところか。6曲目の"Russian Lullaby"ではマーシャルのバップスイッチがオンになる。ドーハムというよりもハワード・マギー風のフレーズがビシバシと入り、バップオタクはにんまりしてしまう。8曲目の"Speak Low"でもマギー風の垂れ流しフレーズを多用しているが、どちらかはドナルド・バード風のやっつけフレーズを使ってくれると、バップ・オタク的には嬉しいんだけどな・・・。7曲目の"My Old Flame"はドーハムも演奏していた渋い曲。ここでもドーハムを意識したのかもしれない。9曲目の"Tin Tin Dio"がドーハム風で堪らなくカッコいい。10曲目の"Raincheck"は、選曲としては良いのだが、演奏は垂れ流し過ぎでやや雑っぽい(またそれがカッコ良かったりするのだが)。
猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)
John Marshall & The Rob Agerbeek Trio / Almost Blue (Blue Jack)
1. Almost Blue 2. I'm Old Fashioned 3. Mamacita 4. The Most Beautiful Girl In The World 5. Bitter Sweet 6. Russian Lullaby
8. Speak Low 9. Tin Tin Deo 10. Raincheck
John Marshall(tp,flh), Rob Agerbeek(p), Harry Emmery(b), Ben Schroder(ds) 2006年2月オランダ録音