こんな感じでややトンがった作品だから、甘く切ないバラードはないし、スタンダードは最後に"What is thing called love"があるだけ。しかし、驚くのはライブ音源が使われていることだ。オランダでは、こんな渋い演奏でも客が入るんですね。いい国だなー。こんな演奏ばかりだから、最初に聴いたときはちょっと辛い。しかし、2回3回と繰り返して聴くうちに、ポストバップの冷たさの内側から滲みでてくるバップの熱い魂が輻射熱のようにジンワリと伝わってくるのだ。しかも、Francesco Cingeの甘ったるいギターが全体的に渋めなサウンドの中でちょっとしたアクセントになっている。5曲目の"Mediterraneen"なんて堪らなくカッコいい。何度も聴いているうちに、このマニアックというかオトナの趣味的な音楽にどっぷりとハマっていくのだ。allmusicのレーティングでは3.5になっているが、この世界はアメリカ人には絶対に分からないだろうナ。