岩手の山から送る、牧場ブログ

牛の消化器


これに関連して、牛のからだにはまだまだ面白い仕組みがあることをお話します。

動物の消化は「食べ物を口に入れた」時から始まっています。

牛の場合、ルーメン内の微生物のための準備が、草を口に入れるときから始まっているのです。
草を口に入れるために牛は「舌」と「歯」をうまく使います。
長く出した舌で草を口にたぐり寄せて、ぶちっ、と葉で引きちぎります。
実は、草をうまく引きちぎるために、牛には上の前歯がないのです。
下の前歯と、上あごの歯茎の部分でしっかりと草をつかみ、引っ張ることで草を引きちぎります。

以前にもお話をした「反芻」という行為。
これは、一旦胃袋の中に入った草を、再び口に戻して細かくすりつぶすための行為です。
これをやることによって、唾液と混ざりルーメンの中の微生物の働きを助けるのです。
牛の唾液には消化酵素が含まれず、代わりに微生物の働きを活性化させる物質が入っています。
そしてなんと、一日約100L以上もの量の唾液を、牛は分泌します。
牛の唾液が、その後の消化にいかに大切かが分かりますね。

3回にわたり牛の消化について、特に第一胃・ルーメンについてのお話をしました。
このルーメンこそ、牛最大の特徴と言ってもいいほど素晴らしい構造で、面白いところだと言えます。
そして牛乳を作るためには非常に重要な機能を担っているのです。

このルーメンがあるからこそ、牛は草をうまく消化できるのです。
これには、私たち人間と食べ物が競合しない、という大きな意味を持ちます。

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