Bookish Girl ~人生は芸術! 生活はアート!~

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2009.08.13
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カテゴリ: ブック・ガイド



マンションの建て替えと管理組合について、気になっていたので、

わたしのアンテナに引っかかってきたのです。

※一般的な問題としての興味です~~。


物語は、冒頭から、切迫した問題に直面させられます。


40歳を過ぎて、離婚し、一人身になった、フリーライターの女性が、

東京湾の眺望が楽しめる築20年ほどの中古マンション(2LDK)を購入し、

新たな人生を歩みはじめて、2ヶ月が経った頃のことでした。

ある朝、地震に見舞われ、マンションが1度ばかり傾いてしまいます。

主人公の香織は、めぐってきた順番により、理事長となっていたばかりに、

A棟B棟で120世帯の住人たちをひとつにまとめ、

補修工事を行うか、建て替えるのか、決議するための、大仕事を担うことになったのです。

しかし、住人も、理事たちも、それぞれのエゴで動きます。

建設会社や、情報を聞きつけて訪れる大学の先生、アドバイザー、取材陣も、

自分たちに都合よく、状況を操作しようとします。


右往左往しながら、最善策を探し求める香織なのですが、

理事たちから、とばっちりをくらって、解任されるはめにー。


見た目はさほど壊れた様子でもないのに「全壊判定」を下されたマンションの住人たちは、

数百万円の補修工事で済ませて、不安を抱えたまま、再びここに住むのか、

ローンの二重払いと仮住まいの家賃負担を承知で、建て替えに踏み切るのか……。





著者は、東大卒、元毎日放送のアナウンサー・記者さんで、

住宅環境の分野に詳しく、ニュース23でも、レポートされた実績があるようです。

06年、介護のために早期退職し、本作でデビュー。

ということは、退職後、

介護をしながら、本書をコツコツと書き下ろしていらっしゃったんですね。

舞台は東京の湾岸ですが、

阪神大震災の取材経験を大いに生かし、

マンション住人の実際の声や、再建するまでのむずかしさを踏まえて、

構築された物語だと思われます。


地震に見舞われなくても、マンションはいずれ老朽化し、

補修するか、建て替えするか、の問題に直面します。

マンション住人の老齢化も顕著となり、

問題はさらに複雑化します。

心当たりのある方には、ひとつの事例として参考になると思います。


本書の中には、わたしの頭の中で動いていた部分と、通じるところもあったので、

おもしろく拝読しました。

もう少し早く出会っていれば……、いや、今、出会ってよかったのかな、と思いながら。


次作は、きっと、介護問題を、物語に昇華されるのでしょうね~。







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Last updated  2009.08.13 18:14:40
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