Bookish Girl ~人生は芸術! 生活はアート!~

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2009.09.13
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カテゴリ: 映画



無声映画「瀧の白糸」が製作された昭和8年には、

すでにトーキー映画が盛んになっていたようです。

新しい時代に向けて、新しい形で音声入りの映像が作品化できるのに、

どうしたことで、無声映画で「瀧の白糸」が作られたのか。

鏡花作品が無声映画でシリーズ化されていたからか、

鏡花作品にはイメージを左右しかねない音声は不必要だったからか、

製作費等の問題か……。


ともあれ、

その無声映画「瀧の白糸」を、先ほど、観てきたところです。


「瀧の白糸」 といえば、新派の舞台でおなじみの演目。

原作は、金沢出身で明治の文豪・泉鏡花の原作「義血侠血」。

わたしも、何度か、読んでみましたが、

美文の内容を、正確にどこまで理解しているのか、定かではありません。

そのことを確認しに、わくわくしながら、出かけたのでした。


この映画は、新派で知られた舞台の内容を踏まえながら、

4人の脚本家が台本を手がけ、それを溝口健二監督が撮影。

製作は、主役の女優・入江たか子さんの入江プロによるものだそうです。

脚本担当には、入江さんのお兄さんも参加されているので、

鏡花さんの意見を聞き、溝口監督と相談して撮ったといえども、

入江サイドの色が強く出ているんでしょうね。


本日の上映会で、無声映画を彩るのは、

活動弁士の澤登翠さんの語りと、ピアノ伴奏の新垣隆さんによる演奏です。

日本の無声映画を、このような形で観るのは、初めてです。

アメリカの無声映画「オペラ座の怪人」や「笑う男」を、

フランス八重奏の生演奏で聴きながら観た時とは、

やはり比べられない趣がありました。


活動弁士さんによるアフタートークは、

鏡花や無声映画について、あまり知識がなくとも、

わかりやすく理解できるように、補足していただけたので、

最後まで残って拝聴して、ラッキーでした。

何度も繰り返し語り続け、常々、実感されている方のお言葉には、

説得力がありますものね。


新派の舞台と、無声映画と、原作との描かれ方のちがいについて、

ご紹介してくださったのも、ありがたかったと思います。

舞台化や映像化されるものは、大衆向けに、かなり脚色されるので、

源は同じでも、それぞれ、ちがった作品になるのですよね。

それぞれを、別のものとして楽しめばいいのであり、

脚色があるからこそ、媒体を変えて作品化されているんですものね。

あれ? あの場面は前に見たのとはちがうなぁ、いったい、どっちが本当なんだ?

などと疑問や興味を覚え、

鏡花の原作に、一人でも立ち戻っていただけるように、

現在、鏡花作品に携わっている方々は、鏡花に選ばれた方々のように感じます。

元の世界観を正しく伝えるには、責任がありますから、

鍛錬も必要なのだと思います。


そんな鏡花ファンの澤登さんによると、

「瀧の白糸」は、ギリシャ悲劇に通じるのではないか、ということです。

先日、歌舞伎の演目「海神別荘」を見て、

シェークスピアの世界がダブって感じられましたが、

そうか、ギリシャ悲劇にも……、という点で、目から鱗がポロリ。

新たな気持ちで、「義血侠血」を読んでみよう~、と思いました。

また、映像を観たことによって、理解不足な点や、反省点も、ぞくぞくと出てきました。

「義血侠血」を現代に置き換えて、戯曲を書いたことがありますが、

あれじゃあ、鏡花の世界観を的確にとらえて表現したことには、ならなかったのです。

もっと、飛躍も必要でした。

(金曜夜、歌舞伎の「桜姫」を、南米編に置き換えた現代劇を、眠気に襲われながらもがんばって観ていたのが、なにやら、ここにつながっているような気がしてきましたー。)


鏡花は、深いなぁ。

奥が、深いです。

おそるべし、鏡花!

しみじみと、かみしめながら、帰ってきたのでした。


あ、そういえば! 

と、帰るなり、ごそごそと探ってみると、

出てきましたね、「ギリシャ悲劇」がー。

つい先日、図書館で、借りてきたばかりの分厚い世界全集です~~;。

たまには、世界の古典も読まなくちゃねぇ~、なんていう思いつきで借りて、

まだ、読んでいないのですが、「ギリシャ悲劇」が、足元に置いてあったのを、

今更、ふしぎな気持ちで手に取りました。

奇遇だ~。

「読め」という天啓みたいですね(笑)。





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Last updated  2009.09.13 19:39:28
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Re:無声映画「瀧の白糸」とピアノと活弁(09/13)  
白山菊理姫  さん
こんばんは。

ギリシャ・・・奇遇ですね。今度はギリシャへ行こうと思っていたところです。それに鏡花は家のすぐそばの秋谷海岸を舞台にした怪奇小説「草迷宮」を書いていますね。最近話題に上ったところでした。 (2009.09.13 22:55:17)

Re[1]:無声映画「瀧の白糸」とピアノと活弁(09/13)  
白山菊理姫さん、こんばんは♪
-----
>ギリシャ・・・奇遇ですね。今度はギリシャへ行こうと思っていたところです。

あら、いいですね~。ギリシャには、あまりご縁がないのですが、ギリシャ悲劇を読むことになりそうです~~。

>それに鏡花は家のすぐそばの秋谷海岸を舞台にした怪奇小説「草迷宮」を書いていますね。最近話題に上ったところでした。

ご近所の海岸が舞台でしたか。「草迷宮」は、蜷川氏演出、岸田理生氏戯曲の舞台を、シアターコクーンに観に行きました。初めて戯曲を書く参考としてー。とても、素敵なお話ですから、いっきに魅了されました。 (2009.09.13 23:02:42)

Re:無声映画「瀧の白糸」とピアノと活弁(09/13)  
hmv203  さん
ラジオ番組で宣伝していましたので、行って見たいなと思っていました。映画の弁士は、レコード盤にも残っていますが、今もいるというのが驚きです。
無声映画により以上の付加価値をつける弁士という
女のひとだった聞いています。ピアノの伴奏も良い
そんなラジオを聴きながら、富山の8号線を先日
走っていた所です。 (2009.09.14 22:36:42)

Re[1]:無声映画「瀧の白糸」とピアノと活弁(09/13)  
hmv203さん、こんばんは♪
-----
>ラジオ番組で宣伝していましたので、行って見たいなと思っていました。

そうでしたか。耳にされたのですね。

>映画の弁士は、レコード盤にも残っていますが、今もいるというのが驚きです。

わたしも、です。澤登さんは、三十五年のキャリアをもつ活動弁士さんだそうです。すごいですね~。時代の波も、山谷あったでしょうね。

>無声映画により以上の付加価値をつける弁士という
>女のひとだった聞いています。

朗読リ-ディングされる女優さんとは、また違った魅力がありました。活動弁士さんは、座って何役も声色を変えて表現する女優さん、さらには、アナウンサー+声優の役割も兼ねているんだなぁ、と感じましたね。見事な表現力で、あっという間に90分が過ぎました。

>ピアノの伴奏も良い

映像と活弁の存在感を消さない、よい伴奏でしたよ。そういえばピアノが流れていたんだ、と感じたりして、はっとする瞬間を、何度か味わいました。金沢でも上映されるといいですね。そのチャンスもあるように思いました。

>そんなラジオを聴きながら、富山の8号線を先日走っていた所です。

もしや、護国神社の帰り道でしょうか? いつか、と思ううちに、秋になってしまいました。機会をみつけて、また、出かけてみたいです。

(2009.09.14 23:27:14)

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