ボヤキ・ツブヤキ・ヒトリゴト

ボヤキ・ツブヤキ・ヒトリゴト

June 14, 2004
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ひどい寝不足。
昨夜9時過ぎから本を読み始めて、そのまま一気に、それこそとり憑かれたように読み進めて、読み終えて本を閉じて、ふと気が付いたら朝の5時だった。
よって本日の睡眠時間、しめて1時間30分。

身体はヘトヘトだし、頭の中も大部分がぼうっとしているんだけど、なぜか頭の中の一部分がピリピリしているのは、昨夜読んだ本のせいだと思う。

重松清氏の『疾走』。
表紙のインパクトが強すぎるせいか、重松清のほかの本に比べて、図書館でも借りる人が少ないらしい。
書店で平積みになっているのをはじめて見たとき、ギョッとしたのを覚えている。
真っ黒な装丁に、こちらを見あげて泣き叫ぶ「男」の顔。
「男」の顔は、怒っているようにも、悲しんでいるようにも、恨んでいるように、寂しいようにも見える。



彼の優秀な兄・シュウイチは心を病み、“赤犬”になる。
そこから「おわりの物語」は始まる。
父は、“赤犬の父”の重みに耐え切れず、蒸発。
母は、ギャンブルにはまり、抜け出せなくなり、家を出る。
「優しい」シュウジだけが、逃げ遅れてすべての重みを背負う。
学校にも、どこにも、彼の居場所はない。
彼を支えるのは、聖書の言葉と、神父様の言葉と、今は遠くに行ってしまった「強いひとり」のエリだけ。

シュウジは走りつづける。逃げつづける。
からっぽの、穴ぼこみたいな目をして。
「本当の絶望は、未来に希望が持てないこと」。
まだ15歳の彼に襲い掛かるのは、「絶望」そのものだ。

でも、彼が再びエリと出会い、逃げるためではなく帰るために、走ろうとしたとき・・・。

かなり好み・評価の分かれる作品だと思う。
いくらも読み進めないうちから涙が溢れて止まらなかった私は、この小説に魅せられて読み進めたのではなく、いつかきっとシュウジに救いが・・・シュウジに明るい未来が・・・と、それだけを願った。
15歳のシュウジに襲い掛かる「運命」「宿命」はあまりに残酷で、苛烈で、悲しい。

シュウジは、最後、幸せだっただろうか。

それは、読み手に委ねられる。
私は、幸せだったのだと思いたい。
でも、もうちょっと長く、もっとずっと長く、シュウジを「幸せ」なままで居させてあげたかった。
たとえ兄が“赤犬”にはならなかったとしても、家族の中でさえもずっと「ひとり」「ひとりぼっち」だったシュウジが、やっと「ふたり」になれたんだから。

こんな辛い物語は、しばらく読み返せそうにありません。
友だちにも・・・・・・どうだろう。勧めたい、かな。
痛いし、辛いし、悲しいけど、読んだほうがいいよ、といつか言えるかな。
でも、今はまだ無理だな。







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Last updated  June 14, 2004 08:02:29 PM
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