Blowin' In The Wind ~風に吹かれて

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2010.05.09
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テーマ: ココロ(1507)
カテゴリ: カテゴリ未分類
きっと、以前にもこのことを書いていただろう。



普通の人ほど怖いものはない。



あの事件は、5年前の6月13日ことだった。

元夫は子供たちを実家に預けて、私に離婚を突き付け、家を出て行けと迫った。

応じるまで子供たちには会わせない。電話で声も聞かせない。

毎日電話をかけて、「子どもに会わせて」と何度も頼んだ。

元夫はとうとう電話にも出なくなった。

弁護士を頼った。

…子供を取り戻すしかなかった。





息子は当時、まだ4歳だった。家の中に閉じこもっていても飽きてしまうはず。

その日はだめで、ホテルに泊まり、次の日のチャンスを待った。

息子が、義母と一緒にガレージに出てきた…。

三輪車に乗っていた。

すかさず、私は飛び出して行った。

子供の名を呼び、抱っこして、玄関から靴を持って行こうとした。

義母は金切声をあげて叫んだ。

あわてて家の中に入って行った。…警察に通報しに行ったのだ。

その間に、私は息子をレンタカーに乗せようとした。

ところが、誰かが私の身体をつかんだ。

知らない、年配の女性たちが何人も、私を取り囲んでいた。



正面から義母が近づいてきて、私の腕に思い切り何度も噛みついた。

幼い息子の目の前で、私の腕から血が溢れだした。義母の腹に、私の血がべっとりとついた。

息子は泣きわめいていた。

背後からひどい罵声を浴びせられた。

「あんたなんかに母親の資格ない!」…



味方を増やすため、父親が確実に親権を取るために。本当に頭のいい奴だった。

私が後ろから数人に取り押さえられているのに、義母はまだ、私の腕に噛みつくことをやめなかった。

「痛いからやめてください」

振りほどこうとすると、

「あんた、年寄りに何をするんだね!」

容赦のない声が背後から上がり、私の腕に爪をたてた。

別の女性が来て、「はいはい、こんな人と関わってちゃいけないよ」と、泣いている息子を自分の家に連れて行ってしまった…。

子供を奪取する計画は失敗に終わり、私はかけつけた警察に突き出されてしまった
母親なのに。

警察の取り調べ室では、私は落ち着いてなどいられなかった。

半狂乱になって泣いていた。

腕の傷の証拠写真を撮られた。

腕がずきずきと腫れて痛むのに、私は取調室から一歩も出られなかった。

トイレに行くにも、警官がついてきた。

病院に行かせてほしいと頼んだら、警官2名がついてきて、近くの病院に行かせてくれた。

病院では、傷を消毒し、「口の中は汚いから」と破傷風の注射を打たれた。

警察署に戻った。

そのときの刑事は、同年代だったが、義母や近所の人を訴えると泣いてわめく私に親身になってくれ、時間をかけて説得した。

将来的に子供たちにとって、一番いい方法を考えて。子供の祖母に当たる人なんだから、と。


姉が身元引受人として車で5時間かけて来てくれるまで、私は取調室に缶詰めになった。

とてつもなく長い一日だった。

そして、その日のことは、一生私のトラウマとなるだろう。

腕にはまだ、噛まれた傷が5年たっても消えずに残っている。




普通の人ほど怖いものはない。

あのとき、近所の人が私を取り押さえなかったら、いま、私は息子と一緒にいられたのかもしれない。

あの人たちは、私の何を知っているというのだろう。



その当時の私は抑うつ状態だった。

確かに、子供をきちんと育てられる状況ではなかった。娘には特に、やさしい母親ではなかった。

しかし、苦しくても毎日食事を作り、お弁当を作り、幼稚園の送り迎えをした。

買い物に出るのが辛いので、食材の宅配を頼んだ。

ぜんそく持ちの息子とは毎晩隣でくっついて寝ていた。

努力をしていたつもりだった…

けれど、あの頃の私のことは、なんでもっとできなかったんだろうと…今でも自分を責めてしまう…。

元夫は当時の私を支えてはくれなかった。

自分でなんとかしろ、とばかり放っておかれた。

自分で病院を探して通院した。

なかなか良い医者に巡り会えなかった。ろくでもない医者もいた。何箇所も一人で病院探しをした。

苦しかった。支えが欲しかった。

そんな元夫が信じられなくなった。口がきけなくなっていった。



結局、あの人たちはそういう私の話を聞こうとする耳も持たなかった。

知らないから、知っている親しい人の情報だけを鵜呑みにして、正義感とやらを盾にして「虐待母は懲らしめて当然」と平気で人を傷つけることができるのだ。





私は、普通の人が怖い。



眠れぬ夜に…。




















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Last updated  2010.05.10 02:02:58
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