文豪のつぶやき

2015.05.19
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カテゴリ: 人間
Sさんは私の学生時代の一番の友人だった。
かれは日蓮系のSという大教団の信者であった。
中学・高校で学内のSの組織を作り、一流大に入学した後もバリバリの運動家であった。
かれは一千から身を引いたのは一流商社に入ってから。
そのあとは風俗にはまり、徐々に組織とも離れていった。
決定的になったのは、結婚の時。
相手の家は、大の宗教嫌い。
それで彼はSと決別した。
ところが最近風のうわさによると再び活動を始めたという。

われながら驚いた。
というのもHは歴史こそ宗祖以来という古い団体だが、活動は細々といってよく、しかもSからは目の敵にされ、かなりな圧迫を受けている。
とくにSを脱会しHに入った人々は相当苛め抜かれているという。
数年前、定年を迎えあとの人生をいかに生きるべきかを考えたのであろう。
そして、教団というフィルターを通さずに僧侶直下の組織にはいった。
妻子を説き伏せ入信させ、いまも孤立無援の状態で戦っている。
人生の最後に、寄らば大樹、荒波を立てずにSに舞い戻り、平穏無事に過ごすことをやめ、大教団Sの迫害を受けながらもそういう生き方を選んだ彼の行動に、けったいな人だと思いながらも敬服する。





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最終更新日  2015.05.19 12:59:36
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