文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2007.04.14
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カテゴリ: エッセイ



それはものすごく気恥ずかしい原稿なのだけれど
そう言ってもらったことがうれしくもあって、
送ってしまう。

といっても誰にでもそうするわけではない。
申し訳ないがその線引きはくっきりとある。

年々そんな線が増えているのではないかと思う。
なんともわがままなことであるが
それもまた自分の一部なのだと思う。

京都に住む人にその原稿を送った。
この文袋に入れて。

jo

好みの柄だといってもらった。
目の肥えたそのひとに
そんなふうに言ってもらえてうれしかった。

剥ぎ合せたのはどちらも大島紬で
白大島のほうは頂き物だ。

そんな高価なものを頂いておきながら
わたしはそのかたには不義理ばかりをしている。
申し訳ないことなのだが
わがままがでてきてしまう。

ほんとうにそのかたのみならず
ふと気づくと
わたしは小さな半径の円のなかに引きこもり
不義理ばかりを重ねている。
メールの返事も出せてないし
葉書も手紙も書かないし
電話にも手を伸ばさない。

いったん結んだひととのつながりを続けていくこと
その「つづき」のむずかしさを思う。
春になるとそんなことが気にかかってくる

もう25年近くの付き合いになる友人が言った。

年を取ると自分もひとも
おなじようにわがままになっていくからね
ますます距離ができるんだけど
わがままになってるから
そんなこともお構いなしにつきあっちゃうから
気づいているほうが疲れるのよね。

そんな友人は次男さんの結婚式がちかい。
むこうのおばあさんふたりにお菓子をあげたいから
それを入れるのに文袋を購入したいという申し出があった。

12個あった文袋も次々に手元を離れてしまって
リクエストに叶うようなものが2つは残っていない。
とりあえずこの文袋を買ってもらった。

midori

(いいというのにお金を出すといって聞かないのは
彼女のわがままなのだ)

仕方がないので
いまひとつは以前彼女にあげたこれ↓を使うという。

midorisan.JPG

結婚式は神戸で行われるという。
わが文袋は晴れがましくも遠く旅することになった。
見知らぬおばあさんに可愛がってもらえるといいなと思う。

そして友人は自分の分がなくなったから
また作ってと言っている。








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Last updated  2007.04.14 08:07:50
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