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ぶっちー2000

ぶっちー2000

2008年10月13日
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カテゴリ: 映画
goya_a_1024.jpg



えっちゃんがメイクしてる間に、濡れ髪、すっぴんでチャリを飛ばして帰った。
録画予約をし、カレーを温め終わった頃、えっちゃん到着。あわただしくランチを済ませて滑り込み。
★★★★

原題 Goya's Ghost はゴヤの幽霊とではなく心象というような意味だと思う。
ここで描かれるゴヤは自己紹介で常に「宮廷画家です。」と言い、「手は別料金を…。」と要求する俗物である。愚昧な王の鋸の目立ての如きバイオリン演奏にも「モーツァルトで?」と胡麻をする。描くこと以外にはまったく信念をもたない。
それに対し彼の芸術を認め、教会の弾劾から守ってくれるロレンソ神父は異端審問を復活させて、乱れた世を正そうとする信念の人である。
折りしもフランス革命、ナポレオンのスペイン侵攻と乱世のさなか、王家は暗愚、教会は傲慢、彼らに抑圧搾取される庶民もまたおろかで残酷である。
信念の人ロレンソは簡単に「目覚め」それまでを「悔い改めて」次なる信念に従って猛進する。その信念は実のところ彼の実利に他ならないが、ああいった輩はそれを高邁な理想だと自身に信じ込ませることができるのだ。

声高な信念や正義のうさんくささに対する警鐘であり、現代にそのまま当てはまる意識だ。

王妃を描いて「実物はこんなに醜いのか?」と聞かれ、戸惑う場面がある。
彼の肖像画は隠された内面まで描き出されていることで有名だが、彼にしてみれば暴くつもりはなく、画家の目に見えてしまうものを忠実に表現した結果に過ぎないということらしい。。
風刺画などでは身を省みず、危険な行為をいとわないけれど、それも彼の意識がそうさせるのではなく、画家の目が捉え、関心を引いたら描く以外に選択肢がないのかもしれない。
そしてそれこそが、どんなプロパガンダより強い。

ゴヤといえば教科書では「裸のマハ」で神話から離れた裸女を初めて描いて物議をかもしたエポックメーカーとしてのみ語られる(少なくとも私の時代は)が、私がもっとも惹かれる絵は「わが子を食らうサトゥリウス」である。
この絵は恐怖に対して人はいかに弱いかを眼前に突きつける。プラド美術館で実物を見たときはしばらく動けなかった。

satulunus.jpg


レンブラントは技術における天才で、ゴヤは描写において天才だと思う。

ゴヤを演じるステラン・スカルスガルドは知らない俳優だが、もったりと大きな体に穏やかな顔つきで好演。
真の主役たるロレンソ神父は怪優ハビエル・バルダム。そう、「ノー カントリー」の圧搾空気殺人鬼よ。
がっしりと大きな体、厚くて濃い顔、独特の猫なで声。気持ちわる~い。けどうまい!

彼のために絶望に突き落とされる富裕商人の娘イネスのナタリー・ポートマンも2役を熱演。
ラストの穏やかで静かな狂気が哀しく美しい。





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最終更新日  2008年10月16日 00時25分37秒
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