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ぶっちー2000

ぶっちー2000

2009年05月29日
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カテゴリ: ミュージアム
8時過ぎの鈍行で夫と上京。静岡と熱海で乗り換え、12時半ごろ品川着。
昼食後渋谷BUNKAMURAミュージアムへ。

「国立トレチャコフ美術館展-忘れえぬロシア」

6月7日で終わってしまうので、夫と私の都合が合うのはこの日しかなかった。
ロシア旅行は行きそうにないし、仮に行ってもツアーはトレチャコフへ寄らないらしいし。これだけはどうしても行きたかった。



忘れえぬ女

wasureenuhito.jpg





出品作は風景と人物画が半々くらい。
風景は憧れをこめた明るいものが大半。澄んだ空気の中、北国特有の横からの太陽光に照らされ、眩しいほどコントラストが強い。

夫は質感に興味があり、特にさざなみに映った景色の描写にはいたく関心を示す。

ほとんどの作品は細密なリアリズムで、テクニックは高いけれども新味はない。そこがかえって心地よい。
面白いのは画題で、非常に文学的である。

ほとんどの人物たちは声を発していない。無言でそこにいる。しかし、彼らの姿、視線、組み合わせからは内心の声が聞こえてくる。
って、実のところこっちの妄想なんだけど。
忘れえぬ女(ひと)は、凍てつくモスクワの街路を幌を上げた馬車で通りかかり、一瞬画家と視線を合わせた。
髪の色や眉の濃い顔立ちから、ロシア上流社会の主流ではないことがうかがわれる。
ダイヤ、真珠、銀狐で飾られた服装は豪華だが色彩は地味で品がいい。
豪奢な生活に倦んだような表情。政略結婚か、家のために貴人の囲いものになったか。
写真で見ていたときには気づかなかった瞳の奥のなにか勁いものが、実物には見て取れる。
この女性をアンナ・カレーニナに喩える人もいるようだが、いい加減な色男に入れ込んで自殺するような人ではなさそうだ。
鬱々とした籠の鳥の日々を送っていたが、燃えるような憧れを込めた画家のまなざしに触れた瞬間、引き金が引かれ、彼女は毛皮も宝石も捨てて、家を出るだろう。
自らの瞳にも燃えるものを灯すために・・・。
なんて、ストーリーが浮かんでしまうのだわ。

非常に楽しい展覧会だった。

3時半には品川からJRに乗車。ほぼ三時間の滞京(?)であった。往復時間はおよそ10時間。
車中S・キング一冊読了。帰りは図録を読んだり、居眠りしたり。





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最終更新日  2009年06月04日 21時28分54秒
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