特にSFファンというわけではありませんが、古典はおさえておきたい…という事で、H. G. Wellsの "The War of The Worlds"(1898年作)を読んでみました。
H.G.ウェルズは「タイムマシン」という言葉を一般に広めた事でも有名ですが、『火星人=タコ』もこのウェルズの"War of the..."から来ているものです(私は「タイムマシン」の方が面白かったかな…)。 前半読み進んでいく中での最初の感想は、『火星人が攻めてきているのに随分悠長な展開だなぁ』…でした。でもよくよく思えば19世紀後半に書かれた作品…テレビもラジオも無く、ニュースが新聞や口づて,そして電報で広まる時代では当然の事なのでしょう。 読後の感想は、ただ単に『火星人vs地球人』ではなく、現代人と未来人を暗喩していたり、エコロジー問題にも触れていたり、今となってはなかなか奥の深い…当時としてはかなり斬新な作品だったのでは…と思われます。
個人的には『SF』といえば フィリップ・K・ディックの"Do Androids Dream Of Electric Sheep?"(アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)がベストです。それを基に映画化された「ブレードランナー」には私は全く魅力を感じません。映画は原作の静かな悲哀さを失っているような気がします(原作ではある一か所で涙した記憶が…)。