ブドウ畑の空に乾杯

ブドウ畑の空に乾杯

November 21, 2006
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カテゴリ: タダの日記
食欲がないのはどうやら運動不足のせいらしい、と気づいて歩いて大学へ行く。大学の敷地は大きな公園みたいなものだから、移動するだけで結構な距離を歩くことになるのだ。図書館にしばらくいた後、実験中の土壌サンプルをチェックしに行く。データを取っておかないとレポートが書けない。実験室にいた先生は帰り際にハバグッドホリデーといったのでユートゥーとご挨拶した。そういえば明日から感謝祭の連休なのだ。あなたの課したレポートさえなければ、ハッピーサンクスギビングを過ごせるのですがね、先生。

帰り道、辺りはすっかり暗くなってオレンジ色の外灯がぼんやりと灯っている。夜に一人で歩くのは久しぶりだ。ある秋の初め、巴里の夜道を歩いた時のことを思い出した。あの時と同じ光の色だったからだ。突然決めて行くことにした仏蘭西で、空港からホテルに着いてシャワーを浴びたら、夕方の巴里をどうしても歩きたくなって、途中食事をしながら、結構遅くまで歩き続けたのだった。私は当時、足早に何を探そうとしていたというのだろう?あんなに早足じゃ、見つかるはずもなかったじゃないか。そう思ったら可笑しくて、自分に笑えて仕方なかった。私は自分の幼さに苛立ち恥じるばかりに、急ぎすぎていたのだ。今日は縮こまって歩きたいほど寒いけれど、背筋を伸ばして顔をあげて歩こう。この小さな街に留まっていることに満足しているわけではないけれど、今私が歩いているのは此処、そしてこの道に違いないのだから。





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Last updated  December 6, 2006 03:59:20 PM


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