記憶の記録

2009.07.29
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カテゴリ: 住宅革命
室内空気には大量のアレルギー物質が含まれ浮遊している。

アレルギー物質の中には空気よりも軽い物質も稀にある。
しかしこれらは微量であり、上昇することで自然換気によって排気されやすい。
ほとんどのアレルギー物質は空気より重い。
最も軽いものの一つにアスベストがあるが、アスベストでさえ、5時間で1メートルほど落下する。
攪拌されなければ殆どのアレルギー物質は床上30センチメートル付近までに沈殿する。
住宅は、24時間中かなり長い間、無人の無攪拌状態が続く。
朝になれば居住者は出勤、登校してしまう。

夏であれば窓開けによって全換気状態が続き空気環境に問題は無い。
しかし、冬は窓が閉じられ、自然換気は極端に減ってしまう。
あるいは、就寝時、人体の体温による上昇気流で対流が起きるものの寝室のみのことだから、他の部屋ではやはり攪拌が起きない。というように、住宅内では、沈殿が起きる時間は十分にあるのだ。
床上30センチメートル付近にアレルギー物質が沈殿していることは人間の目には見えないから、安心してそこに布団を敷き、就寝する。
朝になってクシャミをして鼻をかむのは当然の成り行きなのだ。
最も恐ろしい状況にさらされているのは幼児である。
まさにアレルギー物質が最も濃い中をハイハイで運動する。
自殺行為としか思えない。
しかもこの事を、誰も知らない。

人間は一日に、飲料水を含めて約2kgの食料を口にする。
この中に多少の有害物質が含まれていても胃酸の強力な分解作用で事なきを得ている。

しかも、空気は直接、肺胞に入りヘモグロビンと酸素と炭酸ガスの交換を行う。
呼吸器官に胃酸のような防御機能はない。何が含まれていても吸収してしまい。
体中を血液とともに駆け巡る。VOCに対して、人体はあまりにも無防備なのだ。

子供は呼吸量が大人より少ないが、呼吸回数は、ずっと多い。
体が小さい分、影響を受けやすいのだ。



次に母親の田代直美。
この二人は室内にいる時間が長いのだ。
父親の田代克也は、日中は出勤し夜遅くまで家には帰らないから、自宅の空気を数量も少ない。
さらに喫煙者であるためにアレルギー物質に対して鈍感。
そのために、事の重要性が理解できていないから、問題を賠償責任でしか考えられない。
事は、人間の健康問題なのだ。
しかも、自らの判断ミスで、自宅を居住不可能にしてしまっている。20年のローンを残したまま。
若い父親は、この大問題を、いまだ自分のこととして実感できていなかった。
自分は誰かに守られていて当然の存在であり、何か問題があれば何処かに自分以外の犯人がいて、責任を取ってもらうのが当然。とでも思っているかのようだった。


MCS/化学物質過敏症について
非アレルギー性の過敏状態としてのMCS/化学物質過敏症
 化学物質が生体に及ぼす影響には、これまで、中毒とアレルギー(免疫毒性)の2つの機序があると考えられてきた。これに対し、近年、微量化学物質暴露により、従来の毒性学の概念では説明不可能な機序によって生じる健康障害の病態が存在する可能性が指摘されてきた。当該病態については、様々な概念及び名称が提唱されているものの、国際的にはCullenが提唱した「MCS(Multiple Chemical Sensitivity:多種化学物質過敏状態)」の名称が、また、わが国では石川らが提唱した「化学物質過敏症」の名称が一般に使用されている。(厚生労働省報道発表資料・室内空気質健康影響研究会報告書の概要より転載)





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Last updated  2009.07.29 10:40:10
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