Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2012年03月04日
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カテゴリ: 夢有無有
「怪異」紅傘
 京都で小さな墓裏の一軒家を借りて、勤務先も見つからず、大学院の研究室で日がな貧しい生活を送っていたところ 、今日も今日とて、教授の夜の呼び出しが掛かりました。急いでいたので雨にも拘わらず、教授の叱責する顔を見たくなさに、傘も持たず玄関を飛び出し道を急いでいると、前を行く此の道には不似合いな舞妓らしき人が、おこぼの鈴を鳴らしながら、前を歩いています。追い抜きざま、「お困りだっしゃろ、ウチの傘をどうぞ使わはって。」続いて「すぐ、車屋はんが来ますさかい、ウチ困らへんし。」と、紅染の和傘を差し出し、「あんたの家知ってやさかい、此方から取りに行くんで、気にしんといて。」と言うので、急いでいたので「御免、お借りします。」と研究室へ、教授の叱責する顔を見ずに済みました。
 四五日経っても傘を引き取りに来ないので、舞妓の歩いていた時間帯を選んで道を傘を持ち歩いていると、紅の傘が突然、此方を向き一眼の目の瞳を真っ赤に輝かせ、柄を私の手に巻きつかせ、浮くが如くグイグイ私を引き連れます。とある禅寺の裏門に来た時、ギイーと裏門が開き、中に居たおこぼを履いた舞妓が此方を見ました。「おおきに」と、只、やはり大きな目が一眼で瞳は真っ赤、意識を失いました。
 目覚めると、額を水気を絞ったタオルで冷やされています。「此処は寺男の小屋だから、安心しなさい。」と中年女性らしき声が、隣部屋から聞こえます。「今、お茶を持っていきますから」と盆を持って来ました。倒れていたから心配してたと言って、「まさか、こんな顔見て驚いたの、あの娘は私の子よ、可愛がってね」と、真っ赤な一眼の瞳を光らしました。再度の失神。それからは、祇園・先斗町・上七軒には近づく事を考えるだけで身震いする私です。

紅傘
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最終更新日  2012年03月14日 16時15分22秒
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