Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2012年03月25日
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カテゴリ: 夢有無有
「怪異」御恩
 篤子夫婦は当時許されない学内結婚の教員夫婦で、その恋愛の凄まじさは今でも語り継がれる程。篤子が結婚のため教員を辞めた後、夫も定年を迎えて二十年、宿病により篤子を残して旅立ちました。篤子のその後の生活は、夫が生前好きだった近くの小山の玄関口の公園をいつしか夫を懐かしみ、話しかけての散策が日常となりました。
 その日も、何時も幼児に与える菓子を持ち、公園ベンチに腰掛けていると、山側の山の湧き水を流す溝の側で、園児らしき子供が石を投げ付けている場面に出会います。怪我でもしたらと側に寄ると、一匹の白蛇を目掛けて石をぶつけています。思わず「白蛇様は、此の山の神様やで、罰が当たるよ」と言うと、園児は「怖え!」と逃散します。彼女は弱った蛇に手を合わせます。蛇は溝の流れに落ち消え行きました。
 その後、足腰も弱り、白内障のみならず緑内障を患い公園散策もままならなくなります。篤子は生前夫が失くしたと云う愛用の杖をと、もしやと思い裏の縁の下を見たところ其処に、夫愛用の杖を発見。その日から杖を頼りに公園散策が続きます。手にしっかり馴染み、道路に吸い付く様に、ときには身体を安全に保って呉れてる様で篤子は夫の愛の深さを思い知らされます。遂には盲目状態となり介護相談員から白杖無しに歩くことが無理と判断され、篤子の部屋の杖立に持参して立てようとすると、既に其処には白杖が。その後も白杖をついての篤子の公園散策は止みません。厳寒の或日、篤子は高熱を出して主治医にかかりますが、自宅で死にたいとの希望を入れて臨終。駆けつけた子供は皆二三年ぶりに来たという状況です。
 立ち会った介護相談員が死亡確認を聞いて、杖立を見やった時その場には、腕ほどの太さの白蛇が襖をこじ開け中へ入り、悲鳴を挙げる遺族をしりめに消え去っていきます。介護相談員だけが篤子と白蛇に向かって合掌しております。

白蛇
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最終更新日  2012年03月25日 07時24分03秒
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