Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年10月29日
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カテゴリ: 霊魂論
ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」第10講 1920年 3月30日   ドルナハ
第10講-3
 治療プロセスにおいてはまた、準備された、調理された食物と生(なま)の食物に対する問いがきわめて重要だと思われます。ここでもまた、何らかのことに賛成しようとかいうことではなくて、この分野においてはますますもって私をアジテーター(扇動者/agitator)などとごらんにならないようにお願いいたしますが、そもそもここにあるのが何なのかを客観的に調べなければならないのです。人間がいつもの調理された食物をとり、その力を同化する場合は、生々しい食物を食べる生体であれば何らかの仕方で自分でやらなければならないことを、外的に行なうことになります。人間は、生々しい食物を食べるときには自分でやらねばならないことを、調理その他によって取り去ってもらうのです。さて重要なことは、私たち人間は、むろん末端部においていわば自然全体と関わっているけれども、中心部、とりわけ消化もその一部である、中心部においては、自然から私たちを分離し、個別化させるように構築されているということです。私たちがこの人間と自然との関係をありありと思い浮かべようとするならば、例えばこのように言えるかもしれません。人間はその末端部を通じて(図参照、緑)全宇宙に組み込まれており、そして消化においては血液形成に向かって自らを個別化していく(赤)、したがってここ(後者)は、もはや外的なプロセスに完全には対応しないプロセスを遂行し、少なくとも外的なプロセスのなかに完全に固定されている場所よりは外的なプロセスに対抗して独自性を打ち出している地帯なのだと。さらに次のようなことをお話しすればもっとわかりやすくなるかもしれません。図の文字(上から):(gruen)Kieselsaures(緑)珪酸、(gelb)Alkakien(黄)アルカリ、(rot)Kohlensaure Salze炭酸塩(赤)、ここ数日間お話ししてまいりましたことは、人間は実際全宇宙に組み込まれていること、人間においては、とりわけこの緑色で描いた部分においては、鉛、錫、鉄の形成力が作用しているということです。赤で描いた部分では、銅、水銀、銀の形成力が作用しています(図参照)。この調停作用をしているのが金であり、とりわけ心臓にその場所を定めている力です。けれども人間についてこのように語るなら、ちょうど、一本の指について、それを生体組織全体の一部とみなして語るのと同じなのです。人間についてこのように語ることは、人間を本来全宇宙の一部とみなすこと、本来全宇宙に組み込まれているものとみなすことです。しかしここのこの地帯には矛盾があって、人間は消化とそれに関連するすべてのものにおいて自らを分離する一方、思考し、見るときの相互プロセスのなかにも、やはり自らを普遍的な宇宙プロセスから個別化させていくものが存在しています。したがって人間は、消化プロセスと関係するすべてのもののために、いわばわがままに何かを必要としているということなのです。そしてこのわがままなものが、自然から直接与えられているものをまたもや取り入れるという調理の本能に顕現したのです。なぜなら、自然から与えられるものをそんなに直接取り入れるとしたら、人間というものは、少なくとも平均的には、それを直接加工するにはあまりにも弱すぎるでしょうから。逆説的な表現をしてよろしければ、もし私たちが食物を調理しなければ、食べることは絶え間ない治療プロセスにちがいないでしょう。つまり、もし私たちが食物を調理しなければ、環境とのより強力な親和性によって、食べることは絶え間ない治療プロセスであるにちがいないだろうということです。したがって、なまの食物をとることは、調理された食物をとるよりはるかに治療プロセスなのです。調理された食物をとることはむしろ単なる栄養摂取プロセスですから。なまの食物をとることは、調理された食物をとるよりはるかに強い意味において治療プロセスである。それというのは、私が思いますに、非常に重要な原則です。なまの食物をとる食餌療法は、調理された食事よりはるかに本来の治療に近いのです。さらに言及しておきたいことは、調理されたものはすべて、その作用がいわば切り詰められていて、その作用は赤く図示された部分(図参照)にとどまっているのに対し、なまのまま生体組織に取り入れられたもの、つまり果物などは、この地帯を越えて末端部まで入り込み、むしろ末端部に現われて、例えば血液がその養う力を末端部まで送り届ける誘因となったりするのです。皆さんが珪石 (けいせき/Silicea)を用いて治療しようと試みる場合、患者にしばらくの間、なまの食物を与えることを試みれば、こういう試みこそなされるべきなのですが、皆さんもこのことを確かめられるでしょう。そうすれば、皆さんは珪酸の作用を本質的に高めるのだということがわかるでしょう。なぜなら、その際、皆さんは、珪酸が末端的に行なおうとすること、つまり形成的に働きかける、変形(Deformationen)を完全に直す。もちろんこれは無骨な変形のことを申し上げているのではなく、解剖学的には直接現われてこないもの、生理学的にのみ現われてくるもののことなのですが、そういうことですが、珪酸がこれを直接行なおうとするとき、皆さんはこのとき、治療プロセスの期間中も相応しい栄養分を珪酸に供給することによって、珪酸を支えるわけです。これらはまさに、方法論上指摘しておきたいことなのです。なぜなら、これらを追求することはきわめて意味深いことですし、私が思いますに、これらの事柄はあまりにも研究されていないからです。研究されるにしても、おおむね経験的にのみであって、そのなかにラツィオ(合理性/rationality)は探究されず、したがって、この分野において確認できることについて満足のいく見通しをたてる可能性は余り見出せない状況です。こういう事柄すべてにおいて個人というものに注意をはらうことが重要になってくることは言うまでもありません。ですから私は今までの講演でこう申し上げてきたのです。この分野で何かを語るやいなや、今度はある種の関連においてはそあてはまらないことになると。けれどもこれらのことは方針として知っておかなくてはなりません、例えば個々のケースにおいて、次のように言わなければならない場合でもです。この患者の場合は生々の食物を与えてはいけない、そんなことをすれば彼の体質全体からあれやこれやのことを誘発してしまうから。つまり、このときはそうしてよい、このときはそうしてはいけないなどと言わなければならない場合でもそうなのです。そういう場合でもやはり、今ここで特徴をお話ししたことは正しいのです。こういう事柄によってはじめて、人間の体質全体を本当に見通すことができるのです。と申しますのも、よろしいでしょうか、私たちが明確に区別しなければなりません、つまり、末端部のもの、つまりそこでは人間が現実に全宇宙に組み入れられていて、私たちが人間からあれほど離れている鉱物的なものを生体組織に組み込むときにのみ扱うことのできる末端部のものと、私がここで赤く図示した部分、この両者を明確に区別しなければならないのです。私たちがこれ(後者)を扱えるのは、たしかに植物的なものを通じてですが、まずもって現在の塩的な特徴によって作用しているもの、すなわち炭酸塩(kohlensaure Salz)であるすべてのものを生体組織に取り入れるときにも扱うことができます。一方、アルカリ性のものはすべて、両者の均衡を取ることに関係しています。つまり(順に)、炭酸塩、アルカリ、珪酸塩あるいは珪酸そのものとなります(図参照、黄色)。つまりこれは、人間と周囲の自然との親和性を示唆するものなのです。よろしいですか、私たちは人間というものを、二つに分かれたものとして見るわけです、その中間のものが、この二つに分かたれたものの間を行ったり来たり振り子運動しているのです。そしてこのように言わなければなりません、末端部の人間と、より中心部の、個別化された人間とをこのように見ることは、私たちを全自然の内奥の本性まで真に導いてくれるのだと。つまり末端部の人間は、地上を越えたあらゆるものと親和性を持ち、このことを如実に示しているのは、自身鉱物的なものとして実際に諸惑星や星座に依拠している、人間のなかの鉱物的なものの働きなのです。さらに中心においては個体として、あらゆる地上的なものに親和性を持っているのです。しかしこの、消化組織に表現されているあらゆる地上的なものとの親和性によって、人間は同時にまた、思考することのできる、そもそも人間として進化することのできる、人間本性そのものでもあるのです。
参考図:生体物質カラー



   第10講-3 了

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最終更新日  2024年10月29日 06時05分01秒
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