加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

March 23, 2005
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カテゴリ: 音楽
 今回のヨーロッパ旅行、オペラもよかったけれど、一番驚いた、というか新鮮だったのは、14日にジュネーヴで聴いた、ウィリアム・クリスティという指揮者が率いる「レザール・フロリサン」のコンサートだった。

 彼が創設した「レザール・フロリサン」は、古楽器アンサンブルと、当時の歌唱法を専攻した若い歌手たちの集まり。今回も若い歌手が6人、フレッシュな演奏を聴かせてくれた。

 驚いたのは、コンサートでありながら、「演出」が施されていることだった。
 バロック・オペラの抜粋(アリア、重唱、合唱など)がプログラムの中心だったのだが、その1曲1曲が、劇中のように演じられていた。
 オーケストラの間をぬって舞台の前面に登場したり、オーケストラのメンバーの座席を占領したり、舞台の上をところせましと駆け回る。
 指揮台の上のクリスティは、といえば、時によってオーケストラの方を向いたり、歌手を見つめていたりといろいろさまざま。
 ロッシというイタリア人作曲家のマドリガーレをやった時など、オーケストラに背を向けて、互いに肩に手を置きあって客席の方を向いている歌手たちの後ろ中央に立ち、自分の左右にいる歌手の肩に手を置いて、じっと聴きいっていたのである。指揮の「し」の字もしないで!まるで「気」を送っているみたい!だと、私はすっかり呆気にとられてしまったのだった。

 客席もそんな気分だったようで、曲が終わった瞬間、夢から醒めたように万雷の拍手が轟いていた。

 残念だったのは、斜め後ろからいびきの音がひんぱんに聞こえていたこと。
 トン・コープマン似の白髪ひげのおじさん、よほど疲れていたんでしょうか。
 私の隣のマダムが眉を吊り上げていわく、「こんな美しい音楽なのに、眠るなんて信じられないわ!」





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最終更新日  April 3, 2005 01:17:36 AM


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