加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

December 23, 2005
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カテゴリ: 音楽
 寒いクリスマス三連休。いかがお過ごしですか。

 今日はさいたま芸術劇場の音楽ホールで、BCJの「メサイア」を聴いてきた。あの合唱はほんとにうまくなった、とつくづく感心。最後の「アーメン・コーラス」ではぞくぞく&ジーンとしてしまった。
 プログラム解説を担当させていただいたご褒美だったのだが、その解説で曲番号の訂正ミスをやらかし(「メサイア」は決定稿のない作品で、楽譜ごとに曲番号のつけかたが違い、私の所持楽譜と当日の使用楽譜の番号が違ったのです。直前に訂正したのだけれど訂正もれがあり・・・)、休憩時間に担当者に泣きついて訂正を出してもらった。あー恥ずかしい・・・

 それはさておき、昼間は都内某所で歌手2人(日本人1、イタリア人1)、および都内某ホールの企画担当者と打ち合わせをしていた。
 おそらく再来年にそこで開催してもらう、ヴェルディのレクチャー・コンサートの打ち合わせだったのだが、話は当然ながら色々飛び、来年のモーツァルト・イヤーに、イタリアではどのくらいモーツアルトの催しがあるの?なんて話も出た。
 結構各地で、小さな催しもあるみたい。同席していたイタリア人女性歌手の話では、「モーツァルト時代のメニューの再現」なんてこともやるという。
 「何が出るの?」と聞いたら、
 「モーツァルトのオペラの名前をつけたメニュー」なんだそうだ。


 ところで、そのモーツァルト・オペラだが、イタリアでは「ドン・ジョヴァンニ」「フィガロの結婚」などは、そこそこ人気があるとか。イタリア語オペラだしね。
 反対に人気がないのが、「魔笛」だという。
 「どうして?」と聞いたら、
 「宗教的な理由とかがあるんじゃないですか」(これはミラノ在住の日本人男性歌手)という返事だった。
 「宗教的理由」って、フリーメーソンとかのことだろうか。そういう理由であの音楽に対してバリヤーを張っているとしたら、ずいぶん損な?話である。
 そういえば、この間びわ湖で初演した「スティフェリオ」も、プロテスタントの牧師の話なので、カトリック国のイタリアではなかなか上演の機会に恵まれないという話も聞いた。まあ楽譜の不備(1990年代に発見)という事情もあるのだけれど。それにしても楽譜がちゃんとしてからは、ウィーンやチューリヒやメトではさっさと上演しているのにね。

 そういう話を聞くと、オペラやクラシック音楽が「お国もの」の国って言うのも、けっこう大変だな、と思う。
 宗教とか「伝統」とか(これはよくわかんないところもあるが)そのほかのタブーがいろいろあるから、保守的で、柔軟性に欠ける部分があるように思うのだ。
 だから、イギリスや、それこそ日本そのほか東洋諸国のように、大作曲家のいない、伝統だ何だのない国から、いい演奏家が出てきたりするし、スイスのチューリヒのように、中立的な国だからこそ各国のオペラを充実させ、また冒険できる劇場が生まれたりする。とらわれのない分、自由になれるのだ。

 いつも思うのだが、少なくとも音楽のような国際言語になっているものに関しては、「出身国」は最終的に、属性のひとつにしかならない気がする。それを拡大して錦の旗頭にするか、個性のひとつにとどめるかは、各々の姿勢次第なのではないだろうか。





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最終更新日  December 25, 2005 12:47:02 PM


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