加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

February 12, 2011
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 連休初日の11日に、びわ湖ホールの小ホールで開催させていただいたレクチャーコンサート、「ヴェルディ・ガラ」。


 個人的には、大好きなヴェルディについてお話させていただくことができ、とびきりの名曲を堪能でき、これ以上のしあわせはない、コンサートでした。
 出演者冥利につきる、といったらいいのでしょうか。

 当日もお話させていただきましたが、あまたいるオペラ作曲家のなかで、なぜヴェルディが好きなのか、ときかれたら、「メッセージがあるから」と答えると思います。
 もちろんワーグナーにもあるわけですが、それとは違う次元で、彼のオペラ、音楽には「人間とは何か」という熱い思いがたぎっているように思うのです。
 それこそ、たとえば同じイタリア・オペラの、ロッシーニやプッチーニにはないものだ、と思っています。

 ある意味、音楽的なうまさ、作曲の技術からいえば、ロッシーニやプッチーニのほうが上のところがあるかもしれません。
 声楽技巧をきわめたロッシーニ、オーケストラもあわせてうまさをきわめたプッチーニ、それぞれに天才です。それに比べて、ヴェルディはたしかに無骨だし、やぼったいところがあるかもしれない。

 そしてその源泉は、「人間とは何か」という、やむにやまれぬ問いかけにあるように思うのです。
 ほかの2人には、そのような「やむにやまれぬ」ところは、少なくとも個人的には感じられないのです。

 丸谷才一さんの名著に、「文章読本」があります。
 その最後のしめくくりの言葉が忘れられないのですが、「書きたいことがあってはじめて筆をとれ。その時にこそ、言葉は流れるだろう」というような内容でした。それがあってこその文章、それがあれば、多少の瑕は気にならないはずだ、というこだと解釈しています。
 ヴェルディの音楽には、それがあるのです。だから独特のパワーがあるのだ、と思います。
 少なくとも彼の音楽、オペラに出会わなければ、私はこの仕事をさせていただいていない、と確信しています。

 viva verdi! あなたは本当に偉大でした。











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最終更新日  February 12, 2011 11:34:39 PM


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