Hic Rhodus, hic saltus.

2006.05.23
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大学の講義はどんな水準で行われているのかを知るのにちょうど良い読物が、木田元の 『反哲学史』(講談社学術文庫) 「哲学史」ではなく「反哲学史」というタイトルになっている理由 はさておき、これは、文学部教養課程の哲学用に作成した講義ノートをベースに書かれたものですから、高等学校の倫理の知識があれば十分読みこなせるものです。したがって、大学生はもちろん、高校生にもお薦めの一冊です。

叙述は、自然哲学から始まり、ソクラテス・プラトン・アリストテレスといったギリシアに、紙幅の6割くらいを費やしているため、ギリシア哲学の内容が非常によくわかります。デカルトに始まる近代哲学は、カント・ヘーゲルを経て実存主義へと導かれます。
反哲学史
現代の哲学については、概略が、いわば蛇足のように付されているのみとなります。というのは、筆者の 『現代の哲学』(講談社学術文庫) が既に公刊されているためです。したがって、本書を読み終えて、さらに現代の哲学に関心を持った場合には、続けて読むと良いでしょう。
現代の哲学
なお、今回久しぶりに読み返して思ったことは、筆者が大学でこの講義をしていた頃に、まさしく同じキャンパスで学んでいたにもかかわらず、一度も講義に出なかったこと。教職課程を履修していた関係で文学部には出入りしていたのですが、出席を取る講義が多いせいか、受講意欲の低い学生も教室にたくさんいて、私語が多くて閉口していたからかもしれません。法学部の講義は六法をめくる音しかしませんでしたからねえ……。まあ、それはそれで異常な風景だったかも。

ちなみに、デカルトまではすらすら読めのですが、カントとヘーゲルでは行きつ戻りつでした。やはり、この二人が私にとっては課題のようです。学部のゼミでは、ヘーゲルの 『法の哲学』 を読んでいましたが、他のゼミナリステン(私を入れて3人しかいませんでしたが)の緻密であったり、あるいは自由であったりした解釈を妬みつつ、自分の読解力のなさを呪ったものです。なお、学部のゼミ論は、新カント派を基礎とした価値相対主義の民主主義論だったと記しておきましょう。中身なんて恥ずかしくて書けませんが(笑)。

『反哲学史』(講談社学術文庫)
『現代の哲学』(講談社学術文庫)





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最終更新日  2006.05.23 23:00:17


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