Hic Rhodus, hic saltus.

2006.06.22
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『毎日中学生新聞』 『学校って何だろう』(ちくま文庫) です。当然、中学生を対象とした内容となっていますが、サブタイトルに 「教育の社会学入門」 と示されているように、学校教育の現状を捉える手がかりが多く含まれていますから、教育分野を志す高校生や大学生が、あるいは勉強に疲れた高校生や予備校生が手にとってみるのに最適の本といえるかも知れません。
学校って何だろう
第1章 「どうして勉強するの?」 ・第2章 「試験の秘密」 ・第3章 「校則はなぜあるの?」 ・第4章 「教科書って何だろう」 ・第5章 「隠れたカリキュラム」 ・第6章 「先生の世界」 「生徒の世界」 ・第8章 「学校と社会のつながり」 の全8章で構成されていますが、問いかけに筆者が答える場面はほとんどありません。読者に情報を与えて考えてもらうというスタイルになっています。

第1章 で興味深かったのは、教室の形が世界共通という指摘。確かに、黒板の前に教師が立ち、それに向かって受講生が座るというスタイルは共通しているようです。 第2章 では、試験で評価される学力はいわば生産性であるという指摘。短い時間にどれだけ効率良く設問に答えるかという能力は、まさしく学力と言えるのかも知れません。

第3章 では、教師が「悪法も法なり」とばかり校則に拘泥する理由が説き明かされていて興味深いものでした。少なくとも私は中学の教師には向いていないようです。 第4章 では、ナショナル・カリキュラムの方向性がもう少し深く分析されていれば……と思った次第。ちなみに、教科書って授業ではどう活用しているのだろう?読めばわかるんだから、授業でことさら読む必要もないわけだしなあ……。

第5章 では、時間を遵守する習慣を身に付けさせたり、興味の持てないことにも我慢して取り組む忍耐力を習得させているという指摘には納得。留学生ばかりのクラスだと、とりわけそう思うなあ。 第6章 では、中学校の教諭は週に平均して15.6時間の授業を担当していると936いうデータに注目。15.6時間ということは936分ですから、45分授業だと仮定すると週に21コマくらい。一日あたり4コマ程度というところでしょうか。校務分掌を考えると忙しそうですね。ちなみに、私は週に1730分の講義を担当。1コマ45分だとすれば38コマ以上の授業をやっている計算かぁ……。

第7章 では、少年犯罪は増えていないという指摘に注目。これは時々指摘されることですが、少年の凶悪犯は昔の方が多かったんですよね。 第8章 で興味深かったのは、年間の教育関連支出が26兆円に達しているという事実。児童・生徒・学生ひとりあたりに、年間130万円ものコストをかけている国が日本ということです。こうした極めて恵まれた環境に育っていることを知っておくことも大切でしょうね。

『学校って何だろう』(ちくま文庫)





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最終更新日  2006.06.23 01:49:43


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