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2011.09.21
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カテゴリ: 読書
土屋隆夫「穴の牙」読了しました。

2011/9/21穴の牙

以前、 土屋隆夫「影の告発」 をプレゼントしてくれた友人が
貸してくれたのです。
この小説は短編連作集で、第一話から第七話まであります。
そして各短編の最初には「穴の独白(ひとりごと)」が添えられています。
穴というのは人生の落とし穴のこと。

私たち人間はいたって平凡な毎日を過ごしているつもりでいるけれど
実はあちこちに落とし穴があり、たまたまそこに落ちなかっただけのこと。

本当は穴ぼこだらけの道を恐れもせずに歩くことが出来ている…。

この小説の面白いのは、その人生の落とし穴に人格があり
あいつを嵌めてやろう、と企んだり
穴同士で獲物(?)を取り合ったり、
自分が見込んだ獲物と他人(他穴?)が見込んだ獲物の利益が
相反する時には、つい自分の方を応援したり…
なんだか人間臭いところがあるところ。

七つある話の一つだけ具体的にご紹介しますと…
***
第一話 「穴の設計書 -立川俊明の場合」

立川俊明が妹 千佐子の訃報を受けるところから小説が始まる。

確かにそれを否定するような証拠は何一つないけれど
兄である俊明にはどうしてもそれが信じられない。
あれこれ自分で調べて行くうちに、妹は交際していた男性と
心中するつもりで、裏切られたのだとわかる。
しかし、その相手は誰なのか?

それは自分の上司 石倉だった。
石倉にはすでに家庭があり、
遊びのつもりだった千佐子から妊娠したことを告げられ、
困った挙句に心中をもちかけ、
千佐子だけが死ぬように企んだのだ…。
俊明は公の裁きをあてにせず、自分で復讐することにする。
しかも完全犯罪で…
***

読んでいるうちに、俊明を応援したくなるのですが
結局「穴」に はまるのは、俊明なのです。
甘っちょろくないところがまず良い。

短編だというのに
千佐子が自殺ではないということを解明する部分の面白さ、
完全犯罪をもって上司の石倉に復讐する計画の面白さ、
完全に仕組んだはずの計画に狂いが出て、
あわてて計画をリセットしたつもりが
思いもよらない被害者を生んでしまい…という
二転三転するストーリーの面白さ、
と、よくぞこんなに盛り込むことが出来たなぁと
感心してしまいました。

しかも、想定外の被害者が生まれたときに
警察が俊明を容疑者と割り出せたのは
「穴」のためだった…と、
どこまでも良くできた話でした。

「穴の牙」の初出は昭和43年4月、ということで
登場人物の給与が3万円、といったあたりに
古さは感じるけれど、それ以外の設定は
全く古くない。

男女の関係、金銭がらみの人間模様、
ふと魔がさしてしまう瞬間 などなど。
逆に言えば、いつの世にも
人間は同じようなことに悩み
同じようなことでいがみ合うのということですね。

非常に面白い心理劇「穴の牙」
お勧め度は★★★★☆

こんなに面白いのに絶版になっていて
新品を手に入れることが出来ないため
星一つ減らしました。

古本ならば入手可能です。
 ↓

701L-6-3-10_0000043【中古】afb送料無料☆穴の牙 (光文社文庫) by 隆夫, 土屋

「影の告発」の感想を書いた時に、
東野圭吾が「放課後」で江戸川乱歩賞を取ったとき
審査員の一人が土屋隆夫で、将来性を見込んで
「放課後」を推したことは書きました。
その土屋隆夫自身は、江戸川乱歩に見こまれた
ミステリ作家だったということで、
「才能というのはこうして受け継がれていくのね」
とは、この本を貸してくれた友人の談。

まさに。
素晴らしい!



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最終更新日  2011.09.22 13:14:02
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