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カテゴリ: カテゴリ未分類
僕はその場所に習いに行くと言うよりは、自分がやって来た事を認めてもらうためにそこに行っていた。
対抗意識さえ持っていた。
そして、僕が長年養い、温めてきたものは、すべて否定された。
それは思ってもいなかったことで、とても大きな衝撃を受け、いやな思いが、苦にがしく体中に広がった。
僕はちくしょうと思ったが、その場から背を向けて去ることもできなかった。
何処かに、そうかもしれないと言う思いがあったからだ。
それでもどうしても心開くことはできなかった。
プライド、間違ったプライドがそこに大きく横たわっていたからだ。
時にプライドは我々の行く手を阻み、気が付けば、恐ろしく長い間同じ場所に澱みとどまって動けなくなる。

意を決して僕は扉の前に立った。
そこまで行くのにものすごい勇気とエネルギーが必要だった。
そしてその古い立派なノブにそっと手をかけて見たが、芯まで冷えるような冷たさが手に伝わって来た。
少し怯んだが、それでも力いっぱい押してみた。
しかし扉はびくともしない、覚悟していたよりももっと部厚く重いようだ。
やっぱり到底無理かもしれない、と言う思いが過ぎったが、それとは裏腹に手はもう一度扉にかかっていた。
今度は足と腰にもっと力を込め、台地を踏みしめるように長い間押し続けた。
扉はギギと音を立てた。
僕は息を吸いなおし、奥歯を噛み締めてもう一度押した。
扉は動き始め、開きかけると、後はそんなに力はいらなかった。
扉の向こうは爽やかな明るい風景が広がっていて、それは昔見たことのあるような山々だった。

以前よりずっと軽やかに前に歩けたが、足は身が入ったように痛かった。
その場には僕が大事に積み上げて来た物や、プライドが粉々になって散らばっていた。
それを見ても、なぜか清々しい爽快な気持ちだった。
   2005、9月





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最終更新日  2005.10.12 08:55:51
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