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2006.03.01
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カテゴリ: 茶木の音楽紀行
「アンドレアス、君すばらしかったよ!」と言って僕は彼に抱きついた。
「やーありがとう、無事に来れたかい?」「何とかね、それより午後に君と別れてか
らも面白い事があったんだ」「へー、そりゃー楽しみだ、後でゆっくり聞かせてもら
うよ、とにかく先に食事の用意だ!」と言って彼は休む間も無く準備に掛かった。
リビングを外に出ると広いテラスが有り、何とバーベキュー用の暖炉が有って、そこ
で火を熾して肉をどんどん焼いて行った。
3月とは言っても暗くなるとかなり寒く我々は暖炉にできるだけ近付いて火に当た
りながら肉や野菜、トーモロコシやソーセージなどをビールを飲みながら食べた。
全部焼き終わると我々は余りの寒さに耐え切れず皿とコップを持って部屋に逃げ込ん

どうやらアンドレアスには奥さんや子供はいないようで、お父さんもいないようだっ
たがその事は尋ねなかった。
僕は昼間の教会音楽師の紳士の風貌や彼と話した事、彼が鶏肉を切ってくれた事やエ
ンポールの上でオルガンと指揮台の間を忙しそうに行ったり来たりしていたことを話
した。
アンドレアスはしばらく僕の話を聞いていたが、突然笑い出し「その紳士、何か印象
的なことを言わなかったかい?」と身体を乗り出して尋ねた。
「そう言えばとても真剣な顔で、貴方の生き様を神は必ずあたたかい目で見ていて下
さっていますよ、って言っていたな」
アンドレアスとお母さんは同時に笑い出し、椅子の背もたれにドンともたれて「それ
は間違いなくギュンター先生だ!」と言ってアンドレアスはワインのグラスを手に取

「知り合いなの?」と僕は驚いて尋ねた。
「僕はギュンター先生に出会ったから今こうやって歌っている、僕の一生を決めた人
だよ」とアンドレアスはワインを一口飲んで静かに答えた。
「この子が12歳ぐらいの時、あの教会で聖歌隊の募集をしていて軽い気持ちで私が
連れて行ったのよ、その頃この子は不登校が続いて家で本ばかり読んでいたから何

ところがコーラスの指導をされていたギュンター先生にすごく憧れちゃって、先生を
通して音楽も大好きになって行ったの。
この子には父親がいなかったから先生を父親みたいに感じてたのね、18歳ぐらいの時
先生みたいな教会音楽師になりたいと言い出したんだけど、以外にも先生は歌い手に
なることを進めて下さったの」
とお母さんは説明してくれた。  つづく





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最終更新日  2006.03.01 10:41:09
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