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その後1時間半ほど僕はぶっ通し歌いレッスンが終了した。
その間も先生と直子さんは楽しそうに冗談を言いあったりして和やかな雰囲気だった
が、僕はへとへとに疲れた。
「さーそれじゃ庭に出てお茶にしましょう」と先生が言い、皆外に出た。
3月の日差しが暖かく降り注いではいたが風はまだ冷たかった。
それでも皆はそんなことは気にもせず、先生の娘さん、息子さん、ベルントも出て来
て大きな丸いテーブルに座った。
紅茶とケーキが運ばれ、またまた巨大なケーキを3種類食べた。
もう次の日の夜まで何も食べなくても大丈夫なぐらい満腹だった。

は気にせずあちこちにぶつけ無造作に扱って楽しそうに会話を楽しんでいた。
日本にはめったにないゆっくりと時間が流れるリラックスした休日の午後だった。
演奏会当日は先生の家でタキシードに着替えてからベルントが車を出してくれ、先生
、直子さん、僕をその村まで連れていってくれた。
会場は山の斜面にある小さな村の中心の白いかわいい教会の横にある集会場のような
所で、もうお客様が100人ほど集まっていた。
僕が入って行くと皆こちらを見て大きく拍手して迎えてくれた。
直子さんの伴奏で僕は用意したベートーヴェンの歌曲を8曲歌った。
当たり前のことではあるのだが、僕にとってとても新鮮だったのは歌の歌詞に一つ一
つ反応があるということである。
悲しい詩の歌では皆ため息を吐いて拍手が起こるし、コミカルな詩の際は笑いが起こ

このように内容がダイレクトに楽しめて初めて演奏する方にとっても生きたドイツリ
ートだと感じ、僕はあぜんとした。
日本でこれをどうやってお客様に少しでも楽しんでもらえるのだ。
またどうやってドイツリートの醍醐味を理解してもらえ得るのだ。
それは僕にとって大きな課題だった。  つづく






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最終更新日  2006.10.13 23:52:44
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