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2007.01.02
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その日のワーグナー作曲、歌劇「ローエングリーン」の演奏会形式の抜粋コンサートではベルント、レナーテを含む歌い手たちはすばらしく歌ったが、周りのお客さんを観察していると何だか退屈しているように見えた。
ワーグナーの作品というのは一曲がとても長く、二重唱一つにしても20分から30分掛かるものもあり、音楽がだらだらと繋がって行って、聴き慣れてしまうまではとても疲れる。
ロシアの人々には受け入れてもらえ易い音楽だと思っていたが、言葉もドイツ語だしどうやら難しいようだった。
長い演奏会が終わると皆ため息をついて会場を出て行った。
他国の文化や芸術を即座に楽しんでもらうのは難しいものだ。
僕たちもアパートに戻り食事をしている際、おじさんは「ワーグナーのすばらしさは我々には理解出来ないな」と首をかしげて言った。
次の日はスザンナ、カタリーナも出演するイタリアオペラのガラコンサートだった。
おじさんは夜のうちに自分で車を修理して僕たちを会場へ送ってくれたが、相変わらず不吉なカラカラという音が絶え間なく聞こえ、またいつ動かなくなるか分からない不安を感じていた。
控え室に行くと部屋の隅でクワストフが不安そうな表情で立っていたので、僕は話し掛けてみた。

無理もない、先生の意見も聞かず自分で選んだとはいえ、誰もが注目する最高音Cを含むこの曲を歌い切れるかどうか分からない恐怖は痛いほど僕にも分かる。
この一曲に彼は自分の運命を掛けている。
どうしてこんなことで自分を追い込まなくてはならないのか、やはり僕には理解出来なかった。  つづく





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最終更新日  2007.01.02 23:01:03
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