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2007.01.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
次の日は我々ドイツ組を含む外国人が帰る日だった。
長い滞在でお世話になったお礼をおじさんとおばさんに言って、我々は抱き合って別れを惜しんだ。
音楽祭の主催団体から禁止されていたが、我々はそれぞれ枕の下に100マルクを忍ばせてアパートを出て、おじさんとおばさんと共に飛行場へと向かった。
飛行場に到着すると何とロシア人の出演者たちが見送りに来てくれていて、例の名テノールの老人も来てくれていた。
彼は僕を見ると側に来て「君の歌はとてもよかった」と英語で言い、「貴方こそすばらしい声です」と僕も英語で答えた。
もっといろいろ感想を言いたかったが、我々にはそれ以上会話する術はなかった。
彼は握手の手を差し出し、僕はそれを握った。
あれ以来15年ほどの年月が経ったが今でも彼の声は耳に残っているし、今だそのような感動を呼び起こされる歌に出会っていない。
僕の中では永遠の理想であり続けるであろう。

僕とレナーテは隣同士に座り、僕のちょうど前にクワストフが座った。
離陸してしばらくするとレナーテが前に手を伸ばし、クワストフの肩をずっと撫でていて、見るとクワストフは下を向いて一人で泣いているようだった。
ヘルシンキで5時間ほどのトランジットがあったので、皆で街中までバスで出てみることにした。
驚いたことにヘルシンキの町は大変な近代都市で、ピカピカのおしゃれなビルが建ち並び、タイル張りの歩道にこれまたおしゃれなカフェやブティックが軒を並べ、ちょうど東京の新宿をもっと綺麗に新しくしたような感じで、ドイツでは見ることのない
雰囲気だった。
僕とクワストフとレナーテはその辺で見付けたカフェに入ってみた。
愛想のいいウエイトレスが水を持って来た。
これは驚きだ、カフェに入って水がサービスで出て来るのは日本だけだと思っていたが、世界は旅してみないと分からないものだ。
美味しいコーヒーとケーキを食べ、我々はまたバスに乗って飛行場に向かった。  
つづく





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最終更新日  2007.01.22 23:09:28
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