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・4.9.金
朝昼晩の一日。

毎晩寝る前10分ほどの時間に、永山則夫の「無知の涙」を、考えた末結局聴き進めている。
今、刑務所に入って一年目、すなわち20歳のころの日記である。
日記のようにノートに毎日書き綴られた詩と一編の俳句。
聴けば聴くほどその文章へのセンスの高さと、自己哲学に引き込まれて行く。
もちろん常に彼の執筆は、間もなく自分に訪れる死がベースにあり、そこで開かれて行った一つの悟りのようなものと、自問自答からなる作品である。
あるいは死を前にした獄中生活がなければ、彼の詩は存在しなかったかもしれない。
作品は苦悩一色のものから、少しずつ多方面に広げられた繊細な感覚へと形を変えて行く。

そしてその時にだけ顔を合わす他の囚人たち。
そんな小さな世界の中で、何と広がりに満ちた詩的感覚だろう。
囚人の著書というだけで終わらせていいのかとまで思う。
その独自に切り開かれた独特な詩の世界は、詩人としての優れた能力を感じない訳にはいかない。
でも充分な教育などというものは受ける機会はなかっただろうし、刑務所に入ってから読み漁った本から得た知識だけで、ここまでの文章が書けるものだろうか。
彼の詳しい生い立ちと、自殺願望に捕らわれた10代を過ごす彼の心の内を何とかして知りたいが、現在の時点ではほとんど作品の中に説明は出て来ないし、検索しても事実の報告だけで、そこまでの個人的なことは記されていない。
もっとこのまま聴き進めて行くしかない。


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最終更新日  2010.04.10 09:46:50
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