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カテゴリ: カテゴリ未分類
・6.1.火


夜22時からのNHK教育テレビのETV特集は、死刑制度に揺れ動き続ける一人の検
察官の話。
44年前、彼が30歳の時に担当した事件の容疑者との交流を通して、拭いきれない死刑
制度への疑問を抱えての一生。
業界では有名らしい「長谷川武事件」である。
貧困の中で育った長谷川武被告(当時22歳)が、物取りのために忍び込んだ家の主
婦に見付かりもみ合った上殺害。

その後検察官と被告との長い文通が始まる。
長谷川被告が27歳で死刑執行されるまでの手紙が、幾つか紹介される。
被害者への強い謝罪の気持ちと、死を持って償うことを望む心情、東京拘置所内で飼
う事が許された文鳥の話などが綴られる。
永山則夫と同様、事件を起こした時の彼らと、数年後の刑務所内の彼らは別人である
。
生い立ちの環境によって捻じ曲げられた彼らの何かは削ぎ落とされ、本来の青年にも
はや戻っている。
罪は罪として決して消えはしない。
でもそんな覚醒した青年たちを、一体誰が刑場に連れて行けるだろう。
世論のアンケートでは「死刑はやむを得ない」の答えが85パーセント。

でもこの番組を見て、そういった世論の考えは、容疑者の顔も人柄も生い立ちも知ら
ず、ただ紙の上だけでの判断では?
それらの死刑囚と充分に関わりを持った上で、彼らの刑執行に立ち会えるのか?
そんな思いが沸き上がって来た。
しかし反面、じゃあ何の罪もなく殺された被害者の人生はどうなる。

。
番組の検察官は、被告の人柄や思いや生い立ちに目を向けて来たが、被害者のそれら
にはさして目を向けていないのでは?

心底難しい問題である。
長谷川事件は44年前のことではあるが、貧困が事件を引き起こす一つの要因であると
するなら、その根源の一つはこの国の政治であると考えられる。

「罪を憎んで、人を憎まず」ということである。



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最終更新日  2010.06.02 07:00:49
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