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・12、7、水
埼玉県の16歳の少年が通り魔的に人々を殺傷した事件で、これまで少年は何十匹の猫の首を切断したと告白している。
よくあるパターンだ。
村上春樹の「海辺のカフカ」にもこのような異常者が出て来る。
さて、このような人物が出来上がるまでに、一体どのような要素と環境が存在することとなるのだろう?
この手のいわゆる異常者には、女性も存在するのだろうか?(僕が耳にする限り、男性に限る)
ここでやはり僕の考えを述べてみると、以前の日記でも書いたが、母親からの愛情を受けることができないまま、または加えて母親から嫌悪されたまま幼児期、少年期を過ごし成長した場合、男性は自分で自分を否定することとなる。
母親が自分を嫌っているということは、必ず自分に嫌われるべき原因があり、自分はこの母親の元に生まれて来たことが重い罪であると、そう考えるようになる。
何と悲しいことだろう。

今回の埼玉県の少年がどうなのかは分らないが、考えるまでもなく彼の今までの環境が彼をそうさした訳だ。
彼の周りの大人たちもまた、その少年時代に受けた何かがあるはず。
それは今の日本社会の何処かに大きな間違いがあるからに相違ない。
どこにだ。
憶測で様々なことは言える。
でもその本当の原因を、誰か追究し改善しようとしているのだろうか?
昔だってむちゃくちゃな親は存在したはずだし、わが子に愛情を注ぐことのできない者だっていたはずだ。
でも猫の首を切り取らねばいられないというような少年は存在しなかったのでは?

阿波座スタジオの近くに、靴の修理をしてくれる83歳のおじいさんがいる。
先日もそこにはき古したブーツを修理に持って行き、世間話をした。
おじいさんは、自分は京都祇園の置屋の芸者と、東京から来た靴屋の男の間にできた子だと説明してくれた。

当時はそんな少年がたくさんいただろうが、話を聞くと全く苛酷な人生だ。
おそらく親の愛情など知らずに大人になられたことと想像する。
でもおじいさんは異常者でもなければ犯罪者でもない。
心のこもった修理をしてくれる、優れた靴職人だ。
そんなことを見ていると、やはり今の社会のひずみをもっと真剣に見直す努力をしなければ、少年たちが次々犠牲になるだろう。


一人ぼっちの大人
いつから幼児化したのだろうか? 漫画世代と言い、草食男子と言われた世代ではな
い。今、もっとも幼児化したのは今度の原発事故でも「安全だおじさん」に変身した
人のようにおもう。つまり、すでにリタイアした年代の男性がもっとも愚かなように
感じる。
でも、タクシーに乗って運転手さんと話しても、一日の乗降客が1000人にも満たない
ような駅の前の喫茶店に入っても、ヨーロッパ通貨危機や落ち葉と人生の関係を話し
合うことができる。
地震に襲われれば沈着冷静、世界の見本になるような民族なのに、世界から見るとま
るで幼児化した集団、一人ぼっちの大人が集まった国のようだ。
・・・・・・・・・
世界で日本だけが温暖化防止といってCO2(二酸化炭素)の削減をしているのに、
重要なエネルギーの議論をするときに「CO2を削減できるから、この発電の方式が
良い」と語られる。重要な決定を意味のない根拠に求めるのだから、どうしたのだろ
うか? 世界で誰もやっていないのに、日本の中だけでは「みんなで渡れば怖くない
」というように見える。
あれほど大きく、影響力の強いアメリカは世界の自動車用ガソリンの53%を消費し
ていて、一向に「脱石油」をしようとしていない。あれぐらい大きな国だから、ひと
たび路線を間違えると修正は聞かずにまっさかまさに落ちることはよくわかっている
。だから、仮にアメリカが「石油が枯渇するか、あるいは原油価格が上がる」と思っ
ていたら、鉄道敷設や原発を始めるはずなのに一向にその気配は見えない。
もちろん1988年に自らぶち上げた「政治問題としての温暖化」も農業が立ち直ったの
で、すっかり熱意を失ってなにもやっていない。アメリカはTPPを進めるような強
力な政策立案力をもった国だ。それが、意味もない「節電」や「脱石油」、まして「
低炭素社会」などを進めるはずもない。
・・・・・・・・・
世界情勢も哲学もすべての人が語れる日本。温暖化と節電で騙される日本人。どちら
が本当なのだろうか? それとも「優れた個人」と「愚かな集団」をともに演じる特
別な回路があるのだろうか? どう考えても、「節電」も「脱石油」も無意味、まし
て「温暖化」など無意味なのに、なぜそれが日本の合意なのだろうか?
(平成23年12月4日)
武田邦彦





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最終更新日  2011.12.08 01:04:29
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