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・4.17.火
日曜日夜の教育テレビをつけると、1974年に東京丸の内にある三菱重工本社の玄関に時限爆弾を仕掛け、8人の死亡者、300人の負傷者を出した、いわゆる「三菱爆破事件」の主犯であった大道寺将司の特集をやっていて興味を持ったので、少し彼のことを
調べてみた。
彼は1975年逮捕後、1987年に死刑の判決を受けてから、獄中で俳句に没頭し、多くの
作品を残す。
作家辺見庸が彼の作品に感銘を受け、この度句集出版に漕ぎ着けた。
大道寺将司の作品はほとんどが自分の罪に対する自責を読み込んだものだが、その感
性とセンスからは、やはり優れた才能を感じない訳にはいかない。
何故彼が大事件を起こすことになったかという理由であるが、そこには戦後高度成長

にあるのではないかと思った。
1948年北海道釧路に生まれた大道寺が、少年期に見続けた差別されるアイヌの人々。
大学受験のために一年間滞在した大阪釜が崎で日雇い労働の仕事をしながら見た、差
別される在日朝鮮人の人々。
それらが彼の正義感をヒートアップさせ、その後日米安保、日本企業のアジア侵略な
どへの制裁へと意識が広がり、天皇が乗った列車の爆破まで計画したという。
この当時こういった正義感が間違った殺人へと形を変えるテロが多く出たが、その一
つの例として大道寺のような頭脳明晰な人物が、どうしてその間違い(罪もない人々
を巻き沿いにしてしまう)にはまり込み、一生その自責に苦しむ道を選んでしまうの
か、そこが僕には今ひとつ納得のできないところである。
その時代時代であらゆる凶悪犯が出て来るが、それはすべてその世を映し出したもの

利益一本の高度成長に移り変わろうとする人の心の歪みに着いて行けない男。
自分が贅沢な暮らしをするために、平気で人を騙し殺害までしてしまう女。
学歴社会の中で、自分の未来の闇に絶望し大事件を起こす少年。
そしてそれが少しずつ形を変え幼児虐待、動物虐待へと進み、その次に待っているの
は麻薬、近親相姦無差別殺人などだろう。


大道寺は、彼の共犯者たちが海外に逃げているため刑が執行されず(何故だか理由は
よく分らないが)37年間今なお3畳の独房にいて、今回の原発事故による放射能の問題
や、津波によって命を奪われた人々に対して自分のことのように痛みを感じ、それら
を読み込んだ作品も残している。
「今この国には、こうでなくてはならないという流れのような物に随って皆行動した
り言葉を吐いたりしている。
今の空気でこう有らねばならないという流れだけで行動したり、意見を言ったりする
今の日本の風潮はとても危険であり、本当の心、本当の言葉を失い続けることになる
」と辺見庸は強く訴える。
これは、毎日のように武田氏がブログで述べている危惧と全く同じことを言っている
。
大道寺は牢の中で世間の空気も流れも分らないところで、災害について、放射能につ
いて俳句を読む。
だからこそ今我々に一番欠けている個人の考え、意見が巧みな言葉で表現されている
と辺見庸は言う。
犯罪者を生むのは社会であり、そこに歪みがある限り絶えることなく加害者と被害者
は生まれるだろう。

ーーーーーー
エネルギーはどうしたらよいの?(3) 教科書の危険な筋道
学校の先生は「誠実」でなければなりません。それは先生という職業は「他人の心、
それも子供の心を左右する」仕事ですから、尊敬され、誠実でなければならないので
す。医師が他人の体を傷つけ、裁判官が他人の自由を奪うように、これらの職業は「
聖職」なのです。
その「誠意」とは、「みんなが言っているから」とか「常識だから」というだけでは
不十分で、自分自身の魂に聞いて見なければならないからです。
今度の原発の事故がそうですが、影響の大きいことに携わる人は「まじめ」でなけれ
ばなりません。この「まじめ」とは「間違っていることはわかっていても、社会がそ
う言っているから」とか「空気の通りしておけば無難だ」というのではなく、「自分
の専門性から考えて何が正しいか」という魂が必要です。
・・・・・・・・・
今の教科書を見ると、エネルギーや電力のことは、「石油・石炭は近いうちになくな
る」→「それに石油石炭を焚くとCO2がでて地球が温暖化する」→「温暖化すると南
極の氷がとけてツバルが沈む」→「だから節約して、原発か自然エネルギーにしなけ
ればならない」→「もともと節約は大切なことだ」という筋道で仕上がっています。
この説明の中で、「アメリカや中国は脱石油も脱石炭もしていない」、「CO2の削減
(1997年の京都会議の時を基準にしてマイナス)をしているのは世界で日本だけ」、
「温暖化すると南極の氷は増える」、「ツバルの海水面は9センチ下がっている」、
「アメリカ人一人あたりの消費電力は日本人の2倍で、電気料金は2分の1」、「節約
は個人生活での道徳であり、科学とは違う」というような重要なことは一切、触れら
れていません。
「お上はそう考えている。君たちもお上に従え」と言っているのが教科書です。戦前
、戦争を賛美した教科書を批判した人たち、今の政府の要人になっている日教組の人
たちは何が信念なのでしょうか?
社会が利権にまみれていても、子供たちは未来の日本を作る人たちです。その人たち
が自分でデータを検討せず、自分で考えず、お上の言うことをそのまま子供たちに伝
える現状はきわめて危険です。
私は教育を担当している人が、もう一度、自分が子供たちに伝えているのは、世界で
も特異な空気的合意をしている日本社会だけの「空気的事実」ではないか? まずは
「世界の動き」、そして第二に「科学的事実」を子供たちに伝えるという魂を持って
もらいたいと思います。
「節約」は大切ですが、それは「事実」や「科学」とは違い、普通の女性を「魔女」
として火あぶりにした時代の考えです。節約は人生を豊かにし、幸福にしてくれます
が、それと石油が足りないとか、CO2で温暖化すると言うこととは違うのです。
また、アメリカ人が2倍の電気を使っているという事実は、節約とは関係がありませ
ん。日本の電力会社が地方独占で放漫経営を続け、その結果、福島原発を爆発させ、
電気代を2倍にしていたと言うことだけなのです。
「節電は良いことだ」と子供に教え、その基本は「東電を手助けする」のではどうに
もなりません。なぜ、日本人だけはCO2を削減して、節電しなければならないのか、
節電は良いことでも、なぜ自分の自由意思ではなく、強制されるのか、それを考えて
もらいたいと思います。
もしこのブログをお読みの方の中に学校の先生がおられたら、「思想」を重んじるば
かりに子供たちに「間違った科学」や「間違った事実」をお教えていないかをもう一
度、振り返ってもらいたいと思います。
かつて「北極の氷が融けて海水面があがる」という報道があり、それをそのまま教え
ていた先生がおられました。環境省は後に「北極というのは北極圏のことであり、北
極圏にはシベリアも含む」という意味の無いいいわけをしていましたが、テレビでは
北極海の氷が融けてシロクマが右往左往している映像が出ていました。
もちろん、アルキメデスの原理があるのですから、海に浮かんだ氷が融けても海水面
は上がりません。もし北極の氷のことを社会科で教えていたら、理科と社会科で異な
ることを教えていたことになり、大きな問題です。
「紙のリサイクルをすると森林を守ることができる」とか「森はCO2を吸収する」で
も理科と社会で違うことを教えていました。理科では光合成の原理を教えるので、森
はCO2を吸収しませんが、社会では大人の間違いをそのまま子供に教えていたと言う
ことです。
エネルギー問題ついて国民の選択が大切なのに、教科書で事実と異なることをこれほ
ど長い間教え続けていると言うことに対し、教科書を執筆したり審査したりする先生
、それを使って教える先生は「国が正しいのだから」というのを捨てて、新しい憲法
の下、教育の自主性を発揮してもらいたいと思います。
「educationtdyno.39-(10:16).mp3」をダウンロード
(平成24年4月13日(金))
武田邦彦





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最終更新日  2012.04.18 00:59:26
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