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・6、14、木
男性と女性が全く同じ土俵に立てば、能力は全く同じなのだと思う。
互いに感じ方や物事の処理の仕方に違いはあるにしろ、能力に差はないであろうと考える。
つい最近まで仕事の分担などと言って男女は違う土俵で活動し、男性は女性に学問と選挙権と仕事を与えないようにして、じぶんたちの分野に踏み入れないようにしていたからこそ、女性からすれば自分たちにない能力を男性が有していると思い込んでいただけなのだ。
今同じ土俵に立ってみれば、何のことはない、男性が女性より優っているのは腕力だけであり、すべての能力においてはむしろ女性の方が優っているかもしれない。
だから戦争と畑仕事がない今の日本では、男はすでに無用であると言われるし、50歳以上の生殖能力まで失せた男は生きる意味がないとまで武田氏に言われるのだ。
それは何故なのか?
元々男たちというのは、とてもつまらないところにプライドや優越感や自信を持つ者だからだ。
精神的な男らしさというようなものは、今の社会に必要とはされない。

だから収入の量や顔の良し悪しや乗っている車の車種などに、プライドや自信や生きがいを持つしかなくなるのだろうか。
しかしこの不況で、それどころか昼食にコンビニでカップヌードルをかき込むしかない現実が横たわっている。
そのようにして、男たちは財布の心配と家のローンと、削られ続ける月給と退職金のことばかり考えて、大きなスタンスでものを見る心を無くして行くのではないだろうか。
この国の社会が男たちを骨抜きにして行く。
我々男は、今何をどうすればいいのか。
男独自の素敵な生き方を新たに手にするには何が必要で、何を捨てねばならないか。
不況と上げられ続ける税金と削られ続ける給料の中で、バブルのころの感覚を縮小し、金の計算以外に自分の誠心誠意を傾けられる何かを手にできるよう心がける。
そして社会の中の自分ではなく、自分のための自分を探す。
まあ言うのは簡単だが、僕に言わせるとそういうことだ。
もちろんこれは僕自身の目標であり、周りの男たちを見て感じることだし、生き延びるためのプチ哲学である。

ーーーーーー

男と女の深い関係が密かに大きく変化していたのが1950年から1990年までの40年間で
した。この時期、男は一所懸命になって「男は要らなくなるように」と言うことに全
力を注いでいました。
この活動が終わりかけていた1990年頃、私は「廃人工学」という言葉を使い、「私た
ち男性は、全力を注いで私たち自身が廃人になろうとしてきた。それは正しいのか?

と言うことでもあります.
・・・・・・・・・
1945年に大東亜戦争、つまり日本が戦うのは終わったのですが、朝鮮では朝鮮動乱が
残っていましたから、硝煙のにおいがし、さらには見ない太平洋での核実験、インド
ネシア、ベトナムなどの独立戦争などがありました。
でも、戦争は次第に消滅し、東西ドイツの統一、ソ連の崩壊でほぼ最終的に「戦争の
ない社会」になりました。
それと並行して、家電製品、NC旋盤、アクチュエーター、電子制御、コンピュータ、
高速度通信、センサーなどを発展させ、労働自体を追放していきました.つまり「仕
事の追放」です。これによって男性の仕事は大幅に消失、女性は家事労働から解放さ
れたのです.
1000年ほど続いた「男は戦争と生産、女は子どもと家事」という役割分担のうち、戦
争と生産がどんどん縮小してきたので、男が存在する意義がなくなってきたのです.
もちろん戦争も小競り合いは残りますし、仕事も「仕事を作って仕事をする」という
のはありますから、まだ新しい時代の全体像はハッキリしていません.
この時代に、男と女にどのような変化が現れたかというと、男性の「草食化」と女性
の「男性の仕事への進出」でした。何しろ戦争がないのですから敵に向かって突撃す
る勇気は要りません.また大規模工業などが衰退してサービス業主体になったのです
から、肉食系より草食系が大切なことは言うまでもありません。
「短期的視野、腕力不要、機械無し、対人関係重視、保守志向、優しい、穏やか」が
求められるのですから、草食系男子と女性が望まれるようになったのです。このよう
な社会的な変化の中でやることを失った男性は「亭主元気で留守が良い」とか「粗大
ゴミ」という人格を傷つける言葉で呼ばれるようになります。
・・・・・・・・・
現代の世界、アメリカの苦悩、ヨーロッパの通貨危機、日本の停滞などは「男がやる
ことを失った」事に大きく関係していると私は考えています。男性が「長期的視野、
腕力、機械に強い、改善志向」が求められなくなって、目先の利益を追求する社会に
変わっていったのです.
1000年間の戦争と仕事の時代に形づけられた男性の性格は乱暴なところはありますが
、良いところもありました。たとえば、「我が身を捨てても家族や祖国を救いたい」
と願って敵に向かって突撃したり、「少しぐらい損をしてもプライドを守る」などで
す。
なにせ、家族はともかく、「国のため」というような抽象的なことで我が身を捨てる
のですから、「長期的視野、プライド」がなければできるものではありません.逆に
女性は赤ちゃんのわずかな変化に気を配り、生育を見ていたのですから「今日、明日
のこと」と「ともかく子どもを守る」ということで精一杯だったのですから、国のた
めに命を捧げていては赤ちゃんも死んでしまいます.
その意味で、「女性の社会進出」というのは男性の仕事(医療制度、家電製品など)
によって「育児、家事」が簡単にできるようになって「滅び行く男性の仕事」に参入
してきたことを意味していました.
それに対して男性は自らの役割を失い、「廃人」となってうろうろしています.その
うちの何人かは草食に変化して女性化し、何人かはかつての男性の「長期的視野」に
よって「不要なこと」を創造して社会を混乱させています.
アメリカの金融騒動、日本やドイツの環境幻想などがそれに当たります.つまり悪い
言葉で言えば「マッチ・ポンプ」で、本来は普通の生産活動を支えるお金を、お金だ
けで仕事になるようにし、本来、環境は良いのに「悪い」という幻想を抱かせて仕事
を創造するということです。
このように廃人工学の発達によって、男性も女性も変革期の苦しみの中にいます。そ
れは新しい時代への助走・・・産みの苦しみであり、それが故に日本でもこれほどの
矛盾、虚偽、詐欺が追う横行しているのです.
私は自らの役割を自ら崩壊させた男性が、これも自ら「社会の発展のために何をなす
べきか」とハッキリさせることがまずは第一にすべきことであると考えています.
(平成24年6月12日)
「tdyno.127-(10:15).mp3」をダウンロード
武田邦彦





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最終更新日  2012.06.16 00:41:32
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