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・8、14、火
「暗い話を避けていては解決は遠のきます。事実を正面から見て、それを胸に楽しい毎日を何気なく送ることはできます」
その通りだと僕も実感する。
我々人間がどのような欲に支配され、またそこからどのように抜け出そうとして来たかを事実として見てみる。
それがないところに、より良い明日は存在しないはずだ。

いろんな明治の文豪のことを調べていて、小林多喜二という人物に突き当たった(意図して、今は彼の著作を紐解かないようにしようと思っているが)。
彼は明治38年に秋田県に生まれ、29歳で特高警察によって殺害されていた。
彼がプロレタリアート作家として知られている通り、いわゆる当時の赤狩りにあったのだ。
ロシア革命とカール・マルクスがそれらの人々を活動に駆り立てた。

もちろんそこには国規模で行なわれるイジメがあるからだ。
秋田の小作農の家に生まれた小林も、働いても働いてもほとんどの取り分を他人に持って行かれる屈辱を味わい続けたはずだ。
社会の構造により苛め続けられた者も、いつかは立ち上がる。
そして立ち上がれば潰される。
小林多喜二も、それは酷い殺され方だ。
ほんの最近昭和の最初の出来事なのに、まるで別世界の話のように聞こえる。
だから共産主義、社会主義と言っても、当時と今ではその意味が全く違う。
軍の一部である警察は、上からの命により(本当は何処から降りてきた命令かは分からないところだが)危険思想人物を逮捕して、堂々と酷い殺し方をしている。
現場の警察官は、おそらくゲームでも楽しむみたいに作業を行なっていたのだろう。
死亡を確認する病院側も、特高警察を恐れて解剖もせずに遺族に返す。
何処やらの相撲部屋内で起こった事件も同様「お咎めなし、何とか内内でごまかせる」と決まれば楽しんで他人を殺すものなのだ。

政府に守られ、容認された東電。
どんなことをしてもお咎めなしで、何をやろうとも高い給料が受け取れると分っていれば怖いものなしである。
こういった日本社会の特性は、何も平成の今になって突然酷くなった訳ではないようだ。
形を変えて、色を変えて常にある悪魔の根源である。
それではどうやって、皆が其々の人生である程度の幸せを感じて生きていけるのか?

ただ惨い事実を直視することしか出来ない。
「協力して、皆が其々の人生で愉快に暮らせるように工夫しようよ」ということがどうしても出来ないのが人間という動物なのか。

ーーーーーーーーー
時事寸評 死にたい、燃やしたい、いじめたい、出たくない、そして暴れたい
「hikikomoritdyno.217-(7:29).mp3」をダウンロード
暗い話を避けていては解決は遠のきます。事実を正面から見て、それを胸に楽しい毎
日を何気なく送ることはできます。
・・・・・・・・・
旧共産圏諸国の自殺率が高いのは良く知られているけれど、その中で日本が突出して
いる。交通事故死が1年5000人に近づこうとしている時に自殺は3万人を遙かに超えて
いる。
「死にたい!」と日本人は思っている。未来に夢が持てず、誠実な暮らしができない
のだ。
先進国の火災件数が減り、火災による死亡率が減少している中で日本だけが増えてい
る。アメリカの火災による死者はかつて8000人、今、4000人。日本はかつて500人、
今2200人だ。なぜ増えるかというと、失火ではなく放火が50%に迫っているからだ。
「燃やしたい!」と日本人は思っている.やり場のない怒りが人間の原始的な破壊欲
求に火をつけている。
いじめが増えだしたのはバブル崩壊の少し前だ。先進国が経済発展に伴う社会の歪み
が教育に悪い影を落とさないようにと教育改革に乗り出し、力を入れてきた。その結
果、明治時代には教育立国と言われた日本の教育費はOECD(先進国)で最下位で
ある。
「いじめたい!」と日本の子供は思う。自分がなぜ弱い者をいじめたいのか分からな
い。でも大人が弱い者いじめをしている。だから、それをまねているに過ぎない。
新成人を市町村が祝う成人式はあれる。それを見て大人は「甘やかして教育するから
だ」、「式が成人のためではなく形式的だからだ」と言う。
「暴れたい!」と新成人が思っているわけではない。本当は大人の仲間入りをするの
だから、成人式は静かに豊かに、楽しくやりたい。でも久しぶりに子供の頃の友達に
会い、かつての生き生きとしていた自分を思い出すと、これからあの汚い大人の社会
に出るのが無性に腹立たしくなるからだ。
「出たくない!」と叫ぶこともなく部屋に閉じこもる。そうだとおもう。今の時代に
世に出たい方がおかしいかも知れない。純粋な心を持っていたら耐えられないのでは
ないか。その点では「引きこもり」の方が「世に出る」よりまともかも知れない。
・・・・・・・・・
世の中すべて「お金」の時代で、経済学者によっては「原発で被曝しても良いじゃな
いか。経済が優先なんだから」と公言している人もいる。まともな精神を持っている
人が、絶望したりやけになったりするのも分かる。
でも、おかしいのは政治家、偉い人、コメンテーターであって、普通の日本人、とく
に学生は古い日本の健全な魂を持っている。日本は日本人でできていて、見込みはあ
る。95%は誠実な日本人だから。
今日、お盆でゆっくりし、テレビでオリンピックの総集編を見ていて気分が楽になっ
た時に、読者の方から神の言葉を聞いた。さらに自分という存在を再確認し、楽しい
気持ちで今日をおわることができる。おそらく明日も来るかも知れない。
(平成24年8月12日)
武田邦彦





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最終更新日  2012.08.19 22:15:58
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